第2章:交流学習プロジェクトの実施体制


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2.参加校の交流開始時の状況性

    (1)下流域校:岡山市立平福小学校(中心校)

      1)学校の概要

         平福小学校は,昭和50年に創立され今年で26年目を迎える。学級数23で,702人の子どもたちと39名の教職員がより魅力ある学校づくりに日々励んでいる。学区は,岡山市の南部に位置し,岡山県三大河川の一つである旭川の河口域に当たる。住宅や店舗が多く交通量の多い地域ではあるが,河川敷や土手などには自然がまだ残されており,ゆったりと流れる旭川や南に見える金甲山や貝殻山を望む景観は,見る人の心を和ませてくれる。地域では,ソフトボールやポートボール等のスポーツ少年団の活動が盛んで,保護者も地域の活動や学校の活動に協力的である。

         本校では,昭和57年に中国洛陽市の実験小学校と姉妹校縁組みを結んだのをきっかけに,県下では,他の小学校に先駆けて国際交流教育先進校として様々な活動を進めてきた。楽しみながら諸外国への関心を深めるワールド集会や日中・モンゴル友好教室が設置されているのもその一環である。

        平福小学校の児童数

        学年
        1年
        2年
        3年
        4年
        5年
        6年
        障A
        障B
        児童数
        129
        95
        131
        110
        121
        109
        4
        3
        702


      2)実践の履歴(総合的な学習)

         本校では,放送教育全国大会の会場校(1997年)に指定されたことがきっかけとなり,4年前から「総合的な学習」の研究に着手している。つまり,2002年の「総合的な学習の時間」を先取りした研究である。生活(1,2年),生命(3,4年),環境・国際理解(5,6年)の4つの領域を設定し,1年間という長いスパンの中に,いくつかの学習ユニットを組み込んで研究実践に取り組んでいる。そして,それぞれの学習ユニットには,問題解決の流れを位置づけ,その際,放送番組とインターネットの組み合わせに象徴されるように様々なメディアを学習支援として活用することを重視している。

         現在は,2002年の「総合的な学習の時間」の導入を視野に入れて,学校カリキュラム「平福モデルプラン」の作成に取り組んでいるところである。

        図 「総合的な学習」の研究過程

      3)インフラ環境とその改善

         本校は,市内の学校に先駆けいち早くインターネットに接続し,64Kbpsの電話回線を利用してきた。その後,市の教育委員会も各校へのインターネット接続を開始し,平成11年度より市教委指定のプロバイダにも加入したが,回線利用は増加すると考え,従来のプロバイダとの契約も続行することにした。本プロジェクトに参画する以前は,子ども用パソコン25台,教師用を含めると40数台が校内LANにつながっていた。

         本プロジェクトへの参加全校が共用するWebツール(参加校が調査データを登録,利用する「情報カード」,「電子掲示板」等:詳細は第二章3を参照)は,本校がいままで利用していた掲示板システム(日に2回だけインターネットに接続し送受信する)と異なり,Webツールを利用するたびにインターネットに接続する方式である。各校が共用するシステムということで,特別なソフトウェアを準備することなく,随時,どこからでもアクセスできるなどのメリットは大きいが,本校のインターネット環境では,通信速度の関係で同時には6台までしかつなげなかった。

         このままでは,子どもたちの学習活動に支障をきたすかもしれないため,早急に改善策を考えることにした。しかし,教育委員会では64kbpsの通信速度までしか認めておらず,現在,ほとんどのプロバイダも64kbpsのサービスしか実施していない。改善策に苦慮していた時,従来のプロバイダが実験的な取り組みということで,12年度10月〜1月という限定つきで,一部のパソコンを128kbpsに設定して貰えることになった。

         これで,必要台数のすべての通信速度が改善できたわけではないが,「情報カード」に添付する画像の情報量を小さくするなどの工夫で,少しは改善できた。さらに,会議室にノートパソコン3台を用意し,子どもたちの作業環境を整えた。

        平福小の情報通信機器環境

      4)カリキュラムとその修正

         本校では,「総合的な学習」のねらいの重点として「社会に参加・参画・貢献する態度の育成」をあげている。旭川交流学習は,この態度形成に重要な役割を担うプロジェクトであるといえる。

         本プロジェクトの研究推進に当たり,本校が上流域校2校,中流域校2校,下流域校2校計6校の幹事校としてリーダーシップを引き受けることについて,過去2年の成果を発展させるものとして校内の合意を得た。

         子どもたちは,すでに1学期に身近な水環境について調べ,夏休みには様々な地域での情報を収集し,それを自由研究としてまとめていた。そして,今までの「調べ学習」からわき上がった疑問をさらに追究するために他地域の子どもたちと情報交換をしたいという思いをもっていた。

         次に2学期早々の夏休みの自由研究発表会の後,子どもたちの興味・関心・問題意識のもと,岡山エリア,日本エリア,世界エリアの3つの学習グループに分かれて研究を進めることとした。

         「岡山エリア」の子どもたちが2学期のテーマについて話し合ったとき,「調べたことを自分たちだけでなく,みんなで旭川情報としてまとめたい」という6年生の発言があった。それらのまとめを卒業記念にしたいという願いが込められていた。その意見にみんなが賛同し,結局,パソコンでまとめようという結論に至った。特に,教師から意図的に持ちかけなくても,子どもたちの発言から「旭川デジタルマップづくり」へ自然に意欲づけができた。これも今までの活動(例えば,学校内活動だけでなく,学校外の「旭川源流の碑」の活動等)の積み重ねがあり,今年度の6年生が5年生だった時,当時の6年生の活動を見ており「自分たちも6年になったら,他地域の友だちといろいろと活動したいなあ」という思いが醸成されてきたからであろう。

         こうした経過もあり,調べることを大切にしつつ,自分たちに身近な環境の実態を捉え,未来の環境づくりへ提案するというカリキュラムを「旭川デジタルマップづくり」というプロジェクト型の学習を展開することで組み込みたいと考えた。

      5)参加学年および指導体制

         本プロジェクトへの参加は,「環境学習グループ」5,6年生児童の121名である。ただし,岡山エリアの70名の児童が中心になって学習活動を展開する。教師は,岡山エリアの担当教師1名と情報担当1名が主に担当し,他の環境グループの教師3名は,様々な学習活動をサポートすることにし,環境グループ全体の活動としてプロジェクトを位置づけるようにした。

    (2)下流域校:岡山市立清輝小学校(ビギナー校)

      1)学校の概要

         本学区は,清輝橋を中心として,東西は旭川・枝川により旭東・鹿田学区に隣接し,南は市道大元線,北は県道岡山倉敷線・国道2号線により岡南・深柢学区と境している。

         清輝交差点を中心に東西南北に伸びた商店街を形成し,北東地区には工場や問屋もある。往時,南部地帯は農地であったが,現在は住宅や各種事業所が建ち並び,学区全体が市街地化している。


        清輝小学校の児童数

        学年
        1年
        2年
        3年
        4年
        5年
        6年
        児童数
        18
        24
        27
        26
        32
        30
        3
        160

      2)実践の履歴

         平成11年度より校内研究テーマを「豊かな心をもち,生き生きと活動する子どもの育成〜一人ひとりが夢中になって取り組む体験的・総合的な活動を通して〜」と設定し「総合的な学習」を中心に研究に取り組んできた。また,11年度から13年度まで,文部省・郵政省指定「先進的教育用ネットワークモデル地域事業」の指定を受ける。11年度の研究経過は,以下の通りである。

        (a)生活科および総合的な学習の時間の単元づくり

           体験活動を大切に考え,各学年それぞれのテーマで20〜30時間程度の単元づくりに取り組み実践した結果,子ども自らが自分の課題をもち,友だちや教師,ボランティアの学生,お年寄り,幼稚園・保育園児等周囲の人と関わり協力しながら課題解決の方法を探り,学び方を工夫し,学んだことを自分たちの暮らしに生かそうとする姿が見られるようになった。

        (b)パソコンを活用する学習活動への取り組み(3学期)

           各学年パソコンに慣れ,パソコンを使っての学習の楽しさを味わわせるための学習活動を開発した。主にネットワーク上のグループウェアソフトで絵を描いたり,文を入力したり,音声を入れたりした。また,それを電子掲示板に掲載し,互いの作品を見せ合うことから,インターネットに発展させ,情報収集の仕方を体験させた。

       3)インフラ環境とその改善

         パソコン教室の設備も昨年度(11年度)の12月に整ったばかりである。パソコン教室では,教師用機1台,サーバー1台,児童用パソコン10台がLAN接続されている。職員室配置のノートパソコン2台,デスクトップ2台が教師用である。インターネットについては,10台が同時に使用しても不自由を感じない環境(ケーブルTV回線)が整備されているが,パソコン室と職員室の間はLAN接続されていない。

         これまで,パソコンに絵や写真を取り込むためのデジタルカメラ(640×480ドット)が2台を購入していたが,教師が撮影・操作していた。このたび,子どもたち自身が撮影した画像をパソコンで加工し,Webツールの「情報カード」を作成・発信できるようにするために,子どもたちが簡単に操作できるデジタルカメラ(動画機能付)6台とその画像をパソコンに取り込むPCカードリーダを整えた。

         子どもたちは,グループウェアソフトを中心にパソコンを使ってきたが,それは校内掲示板に作品を貼り出して互いに見たり,4年生以上がローマ字入力の練習をしたりする程度の利用であった。画像をスキャナーで取り込んだり加工したりするような処理は,教師が行ってきたので,子どもたちはまだ体験していない。

         本校のパソコンサーバーは,情報担当者の権限でソフトを登録することのできる「スクールアンドゥ」機能が設けられていたため,このたび,本プロジェクト参加校が共通に利用するデジタル図鑑等の新しいソフト,Webツール等の登録に一時とまどったが,教育委員会の了解を得てスクールアンドゥを一時解除し,解決した。

      4)カリキュラムとその修正

         校内の企画会議,職員会議の順に今回のプロジェクト学習への参加の合意を得た。参加自体について反対意見はなかったが,子どもたちの個人情報が交流を通じて外部に出ることに懸念の声が出された。個人情報の交流は,参加校6校の中だけであること,情報管理に配慮することなどを確認し合い,可能な範囲を主体的に探りながら,本校にできることは何かを考え,前向きにこのプロジェクトに参加しようという合意を得た。

         カリキュラムについては,5年生(35名),1年生(19名)を中心に,年度当初の計画の範囲内で参加することにした。

         5年生は,平成12年度文部省委嘱事業「学社融合プロジェクト〜とび出せ学校いきいきスクール」を受け,市街地で生活する本校の子どもたちが「国立少年自然の家」に宿泊しながら自然体験学習(4泊5日,10月)を行うため,「総合的な学習」のメインを「自然と環境」ということで単元づくりをした。したがって,本プロジェクトの中心となる活動の時期と重なったこと,子どもたちのパソコン操作技能を十分高めていないこと,パソコン教室を自由に使える環境にしていなかったことなどから,「デジタルマップづくり」へ積極的に参加するようなカリキュラムへの修正はあえて行わず,研究の中心校である平福小学校からの呼びかけも,本校の子どもたちが取り組みやすい形にしてもらった。

         1年生は生活科「あさひがわのひみつたんけん」という単元づくりをした。学校のまわりの探検から「自分たちの学校のまわりで自慢したい所」として「旭川」を選んだ。自分たちの故郷自慢として選んだ旭川を1年間にわたり探検することで,旭川にすんでいる生き物と親しみ,季節による変化に気づき,旭川の自然と遊びながら,郷土へ野への愛着を深めることとした。

      5)参加学年および指導体制

         5年生は,10月の自然体験学習「とび出せ学校!いきいきスクール」に参加したので,そこでの体験学習をもとに「環境・自然」をテーマに取り組み,個人の学習テーマにより参加できる子どもたちが,交流学習の「情報カード」の記入に当たった。

         1年生については「自分たちのふるさとの宝物・旭川」の探検から見つけた「宝物」を「情報カード」に載せることとした。初めてのパソコン学習をした後,学級宛てのメールを紹介し「パソコンを使って遠くのお兄ちゃんたちとお話ができること」,「自分たちの見つけた宝物を紹介できること」,「旭川のほかの場所についても教えてもらえること」などを話して意欲づけを行った。1年生にはとても興味深いことであるが,パソコンの扱いが難しいので,情報集めは子どもたちが,加工・発信は5年生と教師が協力して行うことで,異学年交流学習を進めることができた。

    (3)中流域校:岡山県久米南町立誕生寺小学校(中心校)

      1)学校の概要

         誕生寺小学校は,岡山市から約40km北方に位置する。温暖な自然条件に恵まれた久米南町では,古くから水田農業が営まれ,戦後は野菜や夏の葉タバコ,ブドウなどの畑作農業も発展し,町の主産業になっている。誕生寺地区には,国道とJR津山線が南北に通る中央部以外は傾斜地を利用した棚田や水源確保のためのため池が多く造られている。北庄地区は「日本の棚田百選(農林水産省認定)」に88ヘクタールが認定されている。旭川の支流の誕生寺川や片目川などがあり,いずれも水量は少ない。

         本校の子どもたちの数は,年々減少しており,現在は全校で83名である。学区は久米南町の最も北部にあたり,全員徒歩通学である。一番遠距離の子どもたちは片道4kmを毎日通学している。地区ごとに安全のために集団登校をしている。明るくおだやかな子どもが多い。


          誕生寺小学校の児童数

          学年
          1年
          2年
          3年
          4年
          5年
          6年
          児童数
          10
          10
          10
          12
          18
          23
          83

         学区の人たちは,人情に厚く,教育に対する関心も高い。子どもを地域で育てるという熱意により「奨学会」が組織され,学校の各種行事や活動が支えられている。奨学会には,本校に子どもが通っていない家庭も含め約500軒が加入している。

          地域との連携も歴史が古く,三世代交流や農業体験,学外講師を招いての学習をはじめ,いろいろな職種の方と交流学習も随時行われる。学区内にある岡山県立誕生寺養護学校との交流学習も行われている。誕生寺地区には浄土宗の開祖・法然上人誕生の地として知られる「誕生寺」がある。弟子の熊谷次郎直実公が建立した寺で,JRの駅名や本校名としても用いられている。

      2)実践の履歴

         本校は町内・国内・海外のネットワークを活用して教育活動を行ってきた。

        (a)久米南町メディア研究部

           久米南町にある3つの小学校と久米南中学校が参加する横断的な研究団体として久米南町の教育長をトップとした「久米南町教育会」がある(1993年設立)。日常的に,教職員を対象としたパソコン等のメディア・視聴覚機器の活用方法の研修,メディア活用の教育活動の開発・実践,地域の中での活動・交流を行っている。

           1995年から年に1回,町内3小学校の子どもたちが直接顔を合わせて,日頃の学習活動の内容を表現し,交流・共有したり,外部講師に子どもたちの活動を評価してもらったりする「子ども会議久米南」を実施している。

        (b)WSN(ワールドスクールネットワーク)

           ネットワーク利用の教育活動は,久米南町メディア研究部が加入しているWSNでも行ってきた。これは,世界の教室・地域・家庭とネットワークで結ぶもので,子どもたちは地元の自然を舞台に活動し,環境への興味を深め,同じテーマで活動する他の地域の子どもたちと交流し地球環境の多様性に目を向けてきた。

        (c)教師のネットワーク

           公的組織以外に教師加入のネットワークもある。国内の小学校教師の集まりであるKM(キッズミーティング)もそのひとつで,昨年の5・6年生は休み時間にKM参加校(北海道・大阪・沖縄など十数校)の子どもたちとチャットで交流した。キーボードの操作能力はこのチャットをはじめとする交流学習で格段に向上した。

       3)インフラ環境とその改善(借用品も含む)

         久米南町は,メディア研究部が中心になって町内3小学校の教育機器を整備している。本校では2階多目的ホールのパソコンをどの学年も自由に使える。1999年夏に各教室に校内LANを設置し,教室からもインターネットに接続できる。本プロジェクトに参加する4〜6年生の教室にパソコンを設置できるよう3台のパソコンの貸与を受けた。また,デジタル映像を録画できるメディアが必要になると考え,デジタルカメラも整えた。参加学年にパソコンが配置され,3教室からのインターネット接続が実現し,子どもたちが活動しやすくなった。

        ※印の機器は,今回のプロジェクト参加に当たり整備したものである。

      4)カリキュラムとその修正

         「総合的な学習の時間」の試行に当たり,本校では3年生35時間,4〜6年生70時間を教育課程に組み込んだ。テーマは3年生「地域学習」,4年生「水」,5年生「食」,6年生「給食:とことん給食探偵団」で担任と学級の児童が学習内容について相談し,決定した。本プロジェクトの交流学習では,日頃の学習内容を発信することを確認。カリキュラムの大きな修正はせず,町内・校内の行事も変更せず実践した。子どもたち同士の交流は,町内3小学校と本プロジェクト参加6校の間で行うこととした。

      5)参加学年および指導体制

         4年生は「水」に関する学習を計画。農業体験を全校の子どもたちと一緒に行う団体との交流,水資源施設の見学等,体験・交流を意識した活動を予定。5年生は「食」の中の農業を意識した構想。社会科との関連で,第1次産業を取り上げ,棚田やため池など先人の知恵や工夫を学び,消費者として自分たちの生活との関連を探る。6年生は「給食」をキーワードに,現代の食生活の問題点を探り,生活によりよいものを探していく活動を構成。

         参加する4〜6年生の中で,ネットワーク利用の活動を直接経験しているのは5・6年生であった。特に6年生は前述のWSNやKM,久米南町メディア研究部の活動で校外の人との交流を楽しみにできる状態であった。

         本校には専科の教員はおらず,交流学習は,すべて参加学年の担任が単独またはTT等の体制で指導する。活動的で学外講師導入についても意欲的な教諭,パソコン機器に強く,交流学習にも慣れている教諭,積極的にネットワーク利用を推進している教諭が参加学年の担任である。参加した子どもたちはどの学年も落ち着いて学習意欲が高い。

    (4)中流域校:岡山県久米南町立神目(こうめ)小学校(ビギナー校)

      1)学校の概要

         神目小学校は,一学年単式の小規模校である。岡山県のほぼ中央に位置し,久米郡久米南町の最も南の地域,神目地区にある。学校のすぐ近くに旭川の支流となる誕生寺川が流れ,その周りを大きくはないが取り囲むように山地が広がっている。

         久米南町は古くから川柳に馴染みの深い地域で,町の中に川柳公園や川柳が刻まれた石碑が数多くあり,土産物として川柳饅頭や川柳せんべいなどがあり,様々なところで川柳にふれあうことができる。

         また神目地区はマツタケの産地としても有名で,秋になると国道53号線沿いの物産センターなどで販売される。そして南向きの斜面が多い地形を生かし,ブドウやタバコの栽培も盛んに行われている。


          神目小学校の児童数

          学年
          1年
          2年
          3年
          4年
          5年
          6年
          合計
          児童数
          19
          15
          17
          12
          12
          18
          93

      2)実践の履歴

         情報教育に関しては,本町内の小学校3校で構成され,平成8年度発足以来現在に至る「メディア研究部」がある。このメディア研究部の中心的な行事「子ども会議」は,毎年各校の5,6年生が当番校に集まり,それぞれの学校あるいは学級で研究テーマを持って,調べてまとめてきたことを発表し合う交流である。町全体で,このような取り組みを続けていくことに意義を持つと考えている。

         また,地域における「調べ学習」を進める中で,その調べたことをまとめ,表現していく方法として様々な情報機器を利用する機会を設けている。 。

       3)インフラ環境とその改善(借用品も含む)

         本校の情報機器は,別棟のパソコン室と本館一階の職員室に設置されている。また一昨年度に各教室へのLAN環境の設備も整えた。またデジタルカメラ(130万画素, 動画撮影可)も4台使用できる環境である。

         本プロジェクト参加のために整備したパソコンは,日常的に利用できるよう参加学年4,5年生の教室に設置し,プリンターは5年生教室に置いて共有した。また,各クループの「調べ学習」を支援するマルチメディア図鑑も整備した。

      4)カリキュラムとその修正

         新教育課程への移行に伴い,今年度より「総合的な学習の時間」の取り組みを各学年で試行してきた。4年生および5年生は,神目地域をもっと知るために子どもたちの身近にあるものから興味あるものを決めて,調べ学習を展開していくことを計画した。今回の「同一河川流域校交流学習」に参加することで,交流校の相手を意識した「調べ,まとめ,伝える学習」が可能になると考え,また他校と交流することで,調べた内容等の相違点などを知る良い機会になり,他地域への興味関心を持つことができ,より意欲的に学習に取り組むことができると考えた。

      5)参加学年および指導体制

         4年生12人および5年生12人が参加した。少数でも非常に活発な子どもたちで,意欲的に学習活動に取り組むことができる。パソコンやデジタルカメラもある程度は使用できるが,実践的に活用する機会はこれまであまりなかったので,今回の活動はとても新鮮で充実した活動になったように思う。

         他校との交流については,5年生が同町内での水泳記録会や陸上記録会,子ども会議などでお互いのことを知っており交流ができている。また,4年生は昨年に引き続き「音楽の集い」での交流ができている。

         具体的な指導については,各担任で行ったが,「総合的な学習の時間」をできるだけ同じ時間帯にして,その時間はTT形式で行った。交流学習については,このような形での経験は今までなかったので,興味を持って取り組めた。本プロジェクトでは学級内での活動を進めることはできたが,それを相互に伝え合う形での交流にまで広げることがなかなか難しかった。担任の出張などの際には,活動内容をお互いに伝達して活動を進めるように取り組んだ。

    (5)上流域校:岡山県美甘(みかも)村立 美甘小学校(中心校)

      1)学校の概要

         美甘小学校は,岡山県北西部,鳥取県西部との県境に近い山間地域に位置し,旭川の上流域に当たる。江戸時代は「出雲街道」往来の地として栄えた。村の90%が,中国山地の森林で占められている。兼業農家が多く,高齢化が進んでいる。

         本校は,役場・教育委員会・中学校など村の主な施設が集まった少ない平地の中にある。 村内に分散していた5校が統合して今の美甘小学校になった。そのため,学区が広く,子どもたちの半数以上がバスを利用して通学している。


          美甘小学校の児童数

          学 年
          1年
          2年
          3年
          4年
          5年
          6年
          合計
          児童数
          16
          20
          12
          18
          16
          18
          100

      2)実践の履歴(情報教育・「総合的な学習」関連)

         昨年度から,『郷土を愛する子どもの育成』−地域素材を生かした「総合的な学習」を通して− という研究主題を設定し,「総合的な学習」に取り組んでいる。昨年度は,その成果を「真庭郡へき地教育研究会」で発表した。

         情報教育については,「真庭郡コンピュータ教育研究会」に所属する教員を中心に,各学年に対応した学習を取り入れてきた。平成11年からは,TV会議の利用も始めている。これは,「旭川清流ワークショップ」参加に当たって,交流学習校との情報交換の手段として行ったものである。

         また,河川の学習に関しては平成11年度から「旭川流域ネットワーク(Asahi River basin Net-Work)」の事業に参加して旭川に関する学習を続けてきた。中でも,下流域の平福小学校とは,メール・TV会議での交流学習を重ね,合宿等で顔を合わせることも何度かあった。

       3)インフラ環境とその改善

         パソコン教室に9台のパソコンを置き,そのうちの7台と職員室の1台がLANで接続されている。今年の夏休みにISDNを2回線とし,TV会議を実施しても校務に支障が出ないようにした。

         教育委員会が,学校の情報化推進に理解があり,コンピュータ教室整備等に積極的である。本年度は3台が更新され,次年度には残りの6台も更新する予定である。子どもたちのパソコン使用は,使用簿に記入さえすれば,休み時間など教師不在の場合でも使用してよいことにしている。

        パソコンルームで「情報カードを 登録する子どもたち」 →

        画像情報の収集・処理・加工のために,スキャナー2台,デジタルカメラ5機,デジタルビデオカメラ2機を利用している。うち,デジタルカメラ3機,デジタルビデオカメラ1機は,本プロジェクト参加のために整備したものである。 本交流学習では,グループウェアソフト,マルチメディア作成ソフト,マルチメディア図鑑ソフトなどを利用した。

      4)カリキュラムとその修正

         平成11年度は,ゆとりの時間の20時間程度を「総合的な学習の時間」として扱った。本年度は,本校のある美甘村で「旭川源流の碑」建立イベントが開催されたり,夏休みに平福小学校・湯原小学校を含めた体験交流合宿があったりするため,年度当初からこのために向けた活動を「総合的な学習」として取り組んだ。

         村内の方に「美甘旭川博士」となっていただき,課題別フィールドワークを2回実施した。また,夏の合宿に向けての指導のために時間をとった。本年度は,次の表の時間を「総合的な学習」の時間として位置づけていたが,今回のプロジェクトに参加し,活動が盛んになってきた段階でこの時間数では足りなくなったため,実際には,ゆとりの時間や内容によって関連付けて各教科の時間も使った。

        「総合的な学習の時間」にかける予定時間数
        学 年
        3年
        4年
        5年
        6年
        時間数
        28
        30
        30
        30

      5)参加学年および指導体制

         今年の夏休みに「子どもたちの体験交流合宿−ふるさとの川とともに生きる−」が,美甘村で開催され,4・5・6年生の子どもたち全員が参加した。1学期からすでに福祉の学習に取り組んでいた6年生を除き,2学期からは4・5年生が本プロジェクトに参加することにした。

         2学年を解体して合同で学習することも考えたが,授業時間の調整が難しく,すべてを一緒にすることはしなかった。課外活動など一緒に活動した方が有効なことや,それぞれの班での連絡・打ち合わせなど,最低限必要なことを2学年合同で行った。直接の指導は,4・5年生の担任2名で行ったが,学校外の活動では,教頭や養護教諭に手伝ってもらったり,パソコンのトラブルについては,他の教諭に手助けしてもらったりした。また,予算面での配慮もしてもらった。

         実際に活動したのは,4・5年生であったが,校内職員全員のサポートがあったからこそ本プロジェクトに参加することができた。

    (6)上流域校:岡山県湯原町立湯原小学校(ビギナー校)

      1)学校の概要

         湯原小学校のある湯原町は,温泉町として昔から有名で,旅館が建ち並ぶ湯本地区を中心に旭川沿いの谷間に人家が点在する静かな町である。近年,中国横断道のインターチェンジができ,他地域への交通の便が良くなったが,これといった大きな産業もなく旅館業にかかわった仕事に従事する人が多い。

         保護者は,学校行事に積極的に参加し,本校の教育に対する関心と期待が大きい。


          湯原小学校の児童数

          学年
          1年
          2年
          3年
          4年
          5年
          6年
          合計
          児童数
          14
          21
          22
          23
          30
          27
          137

      2)実践の履歴

         平成11年度は,本校が「総合的な学習」を校内研究で初めて行った年である。研究主題を「自ら学び,願いを実現しようとする子どもをめざして」と決め,副題を「生活科・総合的学習の多様な実践と教育課程の見直し」として,実践してみれば何かが見えてくると思いながら取り組んだ。

         1・2年生は「秋だ,祭りだ,みんな集まれ」,3年生は「湯原町にお客さんを呼びたい」,4年生は「湯原町の新:昔話を絵本にして図書室におこう」,5年生は「お米を食べたい」,6年生は「卒業制作を学校に残そう」を実践した。年間を通して30時間ほどの実践であるが,子どもたちは,今までとは違った形態の学習に意欲的に取り組み楽しんでいた。実践の積み重ねで見えてきたものがたくさんあるが,その中で重視したいのは,子どもたちの夢,願い,こだわりを大切にすること,地域にこだわって生きている人から地域教材を発掘していくことの大切さだった。

         パソコン利用については,平成11年度まではWindows3.1を使用していたためインターネット接続は不十分であった。しかしワープロやお絵描きソフトを使ってパソコンに慣れる学習をしてきた。作文,紙芝居,物語,ポスターなどを制作してきた。

       3)インフラ環境とその改善

         本校のインフラ環境は,本年度に整備されたばかりで新しい。ただ,教室へのLANはつながっていなかったため,本プロジェクト参加を機に無線LANを充実し,交流学習のためのネットワーク接続の範囲を広げた。

         通信環境については,インターネットは専用回線で接続し,校内の機器とは,有線LANと無線LANで結ばれた。校内LANでは,コンピュータ室の校内サーバー(PentiumV,677Mヘルツ,メモリ128Mバイト,HDD15Gバイト)を中核に,デスクトップ(16台),ノートパソコン(3台,無線LAN可), プリンター(3台),CD-RW(1台),スキャナー(1台),MO(2台),カードリーダー(3台),大型ディスプレイ(1台:レンタル)が結ばれている。

         他に,TV会議システム,FAX,電話,BSデジタル放送が利用できる。

         デジタルカメラは,150万画素以上(4台),35万画素以上(7台)が整備されている。教師にとっては,常時子どもたちの活動を記録するための必需品である。学校外での活動が多く,教師が子どもたちの様子をその場で記録できるデジタルカメラを持つことは指導や評価のためにも有効だった。また,子どもたちにとっては「情報カード」の資料を集めたり,自分たちの活動の記録を残したりするうえで不可欠だった。

      4)カリキュラムとその修正

         本年度の研究内容の一つは,「総合的な学習の多様な実践」である。子どもたちの夢,願い,こだわりを中心に置き,地域の教材を生かした学習を目指している。地域教材については観光地としての湯原温泉の発展を目指して取り組んでいる人に注目して,そこから学習を発展させたり,山間の自然環境のすばらしさに気づき,そこから学習を広げていったりする。本プロジェクトの参加については,本校の研究の方向に即して取り組むこととし,年間指導計画など大きな変更は行っていない。

      5)参加学年および指導体制

         本プロジェクトへの参加については,その趣旨,内容等について職員会議や校内研修で説明した。本校の校内研修の一環として取り組むことで合意を得た。当面は,6年生を中心に取り組むこと,他の学年についても関わることがあれば参加していくことにした。4年生も参加する方向で学習を進めてきたが,「デジタルマップづくり」への参加は,時間的な制約のため十分にはできなかった。また,5年生についても「総合的な学習の時間」の単元内容が異なり参加できなかった。

         指導の中心は学級担任とするが,人数が必要なときは時間割を調節して担任外の先生にTTを要請した。

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