国際交流の継続的実践・報告

相模原市立東林小学校 坊野博範

 

1.はじめに

 総合的学習の導入にともない,小学校においても国際理解教育の取り組みが見られるようになってきた。国際交流継続的実践の目的をふまえて国際理解教育を進め,広げていく実践活動を行いたいと考えた。

☆国際交流継続的実践企画の目的

 上記を受け,本校では次のような目標を立て活動を進めてきた。

 

2.参加の経緯

 本校は,平成7年度からKIDLINKに参加し,平成9年度からはCECの「新100校プロジェクトKIDLINKへの参加」企画に2ヵ年参加し、イギリス、アメリカ、イタリアの学校とメールを中心とした交流を進めてきた。本年度は「国際交流継続的実践企画」に応募し,これまでの交流校との関わりを大切にしながら異年齢集団との交流,地域の文化の積極的な発信など新しい交流の進め方に取組んでいきたいと考え参加をした。

 

3.本校のネットワーク環境

 本校は,コンピュータ教室内ネットワークが中心で,40台のコンピュータがLANで接続されている。その内23台がインターネットに接続され,図書室にはインターネット接続用サーバー1台と2台のコンピュータが設置され,調べ学習などに積極的に活用されている。

 

4.子供の変容

  • 外国の人とメールを使った交流ができたからよかったと思いました。これからも交流活動をやりたいと思います。

    名古屋では,中学生や高校生と交流を図ることができ,とても楽しい思い出になりました。また,交流することがあったら英語の勉強もがんばりたいと思います。

  • 名古屋の研究発表会にでてとても緊張しました。でも名古屋はとても楽しかった。発表会で高校生や大人の人たちの友達ができたのでよかった。

    (中間発表の感想 名古屋)

 

☆英語への興味関心の高まり

 中間発表会での体験,ALT,1年間のメールを通した交流を行った結果,外国の人とのコミュニケーションには英語が必要であることが理解されてきた。また,簡単な自己紹介,英語を使ったゲームなどに進んで参加し,英語でコミュニケーションをとろうとする態度が見られるようになった。

☆小・中・高校生との共同学習

 中学生や高校生との共同学習や交流は子供たちにとって貴重な体験であった。親しみを持てるお兄さん,お姉さんともっと交流をし,共同学習を進めていきたいという希望を述べるようになった。

 

5.活動状況

☆Eスクエア・プロジェクトでの活動

相模原の民話「でいらぼっち」

「ああ、なんて重いんだ。どうれ、ここらで一休み。」

大山へどっかりと腰をかけました。手ぬぐいでひたいの汗を拭き、相模川の水をすくって飲みました。    「おお、うまい」


☆KIDLINKでの活動

 日本語で海外の学校と交流ができるKIDLINKは,小学生が言葉の壁を意識することなく交流に参加することができる。また,海外の学校だけではなく,国内の小学校との交流もでき,お互いの地域情報を交換したり,内容によっては中学校や海外の学校を巻き込んだ学習を展開することもできる。

(St.Sebastian’s Primary SchoolのHP England)
(Laura Bassi Primary School 5th grade Italy)

☆ALT(英語指導助手)との交流

 本市では,ALT(英語指導助手)が希望した小学校に派遣される。子供たちは,ALTから国や家族の様子を写真や具体物を交えて説明される。生の英語に触れる楽しいひと時である。

 また,地域のボランティアの方々との交流も行われている。体験学習のTTなどさまざまな場面で活躍してもらっている。

(体験学習でのボランティア)

 

外国人英語指導助手活動案

展 開
[6]時限目
(14:40)〜(16:00)

[6]時限目

 

(14:40)

(16:00)

活動内容
対  象
[ 4.5.6 ]年[クラブ活動 ]
児童数
20名
教科・領域等
総合的な学習の時間

○あいさつ

○自己紹介

○簡単な会話をしよう

  ・3種類のskitを行う 

  はじめましてのごあいさつ

   おはよう、調子はどう?

   教えて、君の好きなもの

○英語の歌を歌おう

Head Shoulder Knees toes

○ゲームをしよう

   Fruits Basket

○おわりのあいさつ

7.成果 


☆意義深い小・中・高校生との共同作業とオフミーティング


☆生の英語に触れ,英語に対する興味・関心の高まり

 

8.課題


☆東京校の掲示板を活用した小・中・高校の積極的交流


☆海外との交流の活性化

 

9.関係機関への要望

 

10.これから取り組む学校へのアドバイス

 

11.おわりに

 振り返るとあっという間の1年間であった。「国際交流継続的実践企画」に参加し,高校の先生方に多大の負担をかけてしまった。オフミーティングによって,高校生のバイタリティー,企画力が小学生に大きくアピールされた。また,オフミーティングを開催したことはお互いを理解する上で大変有意義であったし,この企画を成功させた大きな要因でもあったと考えている。このようなよい機会を与えてくださったCECの皆様,そして参加校の皆様に感謝申し上げます。


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