総合的学習の導入にともない,小学校においても国際理解教育の取り組みが見られるようになってきた。国際交流継続的実践の目的をふまえて国際理解教育を進め,広げていく実践活動を行いたいと考えた。
小・中・高の子供によるマルチメディアコンテンツを作成する共同学習,共同制作等を行いながらお互いの交流を深める。
英語,日本語によるホームページを立ち上げ,日本を紹介するとともに海外との積極的,継続的な交流を呼びかけていく。
上記を受け,本校では次のような目標を立て活動を進めてきた。
同年代の外国の子供と交流することを通して、お互いの国の文化を理解する態度を育てる。
地域の文化を積極的に発信する活動を通して、情報を発信する大切さに気づくことができる。
小・中・高の異年齢集団との共同学習・交流を体験することによってお互いを理解することができる。
本校は,平成7年度からKIDLINKに参加し,平成9年度からはCECの「新100校プロジェクトKIDLINKへの参加」企画に2ヵ年参加し、イギリス、アメリカ、イタリアの学校とメールを中心とした交流を進めてきた。本年度は「国際交流継続的実践企画」に応募し,これまでの交流校との関わりを大切にしながら異年齢集団との交流,地域の文化の積極的な発信など新しい交流の進め方に取組んでいきたいと考え参加をした。
本校は,コンピュータ教室内ネットワークが中心で,40台のコンピュータがLANで接続されている。その内23台がインターネットに接続され,図書室にはインターネット接続用サーバー1台と2台のコンピュータが設置され,調べ学習などに積極的に活用されている。
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中間発表会での体験,ALT,1年間のメールを通した交流を行った結果,外国の人とのコミュニケーションには英語が必要であることが理解されてきた。また,簡単な自己紹介,英語を使ったゲームなどに進んで参加し,英語でコミュニケーションをとろうとする態度が見られるようになった。
中学生や高校生との共同学習や交流は子供たちにとって貴重な体験であった。親しみを持てるお兄さん,お姉さんともっと交流をし,共同学習を進めていきたいという希望を述べるようになった。
小・中・高校の共同学習
民話「はなさかじいさん」をアニメーション化し,英文で読み発表した名古屋での中間発表会は多くの方々の共感を得た。短い時間に中学生が英作文の翻訳(中間発表会 名古屋),小学生が朗読,高校生がアニメーションと音楽を分担し,一つのプログラムを完成させるために協力し合ったことは子供の心に大きなものを残した。この活動を支える交流の場としての掲示板・オフミーティングは異年齢集団の子供たちや教師がお互いを知り,理解しあえる場として大変効果的であった。この取り組みから相模原市に伝わる民話を発信することになった。
「ああ、なんて重いんだ。どうれ、ここらで一休み。」
大山へどっかりと腰をかけました。手ぬぐいでひたいの汗を拭き、相模川の水をすくって飲みました。 「おお、うまい」
日本語で海外の学校と交流ができるKIDLINKは,小学生が言葉の壁を意識することなく交流に参加することができる。また,海外の学校だけではなく,国内の小学校との交流もでき,お互いの地域情報を交換したり,内容によっては中学校や海外の学校を巻き込んだ学習を展開することもできる。
英語での交流と翻訳ボランティアの組織
本校ではKIDLINKを介してイギリス,アメリカ,イタリアの学校と交流を進めてきた。メールを中心とした交流を続けることで学校,遊び,地域の様子などお互いの文化を理解し,その国へ興味をもって接するようになってきた。今後はメールとともに絵や写真,ネットミーティングなどの手立てを活用して互いの顔が見える交流を進めていきたい。本校では,父母の協力を得て翻訳ボランティアを組織した。言葉の壁を取り払うためにボランティアの活動は大きな役割を果たしてくれた。
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(St.Sebastian’s Primary SchoolのHP England)
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(Laura Bassi Primary School 5th grade Italy)
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本市では,ALT(英語指導助手)が希望した小学校に派遣される。子供たちは,ALTから国や家族の様子を写真や具体物を交えて説明される。生の英語に触れる楽しいひと時である。
また,地域のボランティアの方々との交流も行われている。体験学習のTTなどさまざまな場面で活躍してもらっている。
(体験学習でのボランティア)
外国人英語指導助手活動案
展 開
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[6]時限目
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(14:40)〜(16:00)
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1
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[6]時限目
(14:40) ↓ (16:00) |
活動内容 |
対 象
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[ 4.5.6 ]年[クラブ活動 ] |
児童数
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20名
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教科・領域等
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総合的な学習の時間 | |||||
○あいさつ ○自己紹介 ○簡単な会話をしよう ・3種類のskitを行う はじめましてのごあいさつ おはよう、調子はどう? 教えて、君の好きなもの ○英語の歌を歌おう Head Shoulder Knees toes ○ゲームをしよう Fruits Basket ○おわりのあいさつ |
☆意義深い小・中・高校生との共同作業とオフミーティング
☆生の英語に触れ,英語に対する興味・関心の高まり
☆東京校の掲示板を活用した小・中・高校の積極的交流
☆海外との交流の活性化
ALTの学校常駐
小・中・高校生との交流時間の保証
交流相手を見つけるには、KIDLINKやコネットなどを活用
具体的な年間計画を作って交流を進める
相手校の先生とのコンタクトの量が交流を成功させる
振り返るとあっという間の1年間であった。「国際交流継続的実践企画」に参加し,高校の先生方に多大の負担をかけてしまった。オフミーティングによって,高校生のバイタリティー,企画力が小学生に大きくアピールされた。また,オフミーティングを開催したことはお互いを理解する上で大変有意義であったし,この企画を成功させた大きな要因でもあったと考えている。このようなよい機会を与えてくださったCECの皆様,そして参加校の皆様に感謝申し上げます。
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