本分野の機器の評価として、以下に掲げる項目を前提として事前検討を行いました。
(本章では、PHS、携帯電話に関する機能評価は行わないこととします)
1) 機器環境としての評価
2) PDAのユーザインタフェース機能としての評価
3) 通信機能に関する評価
4) 導入の為の事前教育について
5) その他
以上の項目で事前検討を行い、その結果を報告します。
1) 機器環境(ツールソフトを含む機能全般)
モバイル・コンピュ−テングはその利用目的により、機器環境はノートパソコン同様大変重要です。携帯情報端末(以下はPDAという)はパソコンに比べてハードウエアの特徴や形状でのメリットとは逆に、機能面でノートパソコンより劣ります。
しかしながら、携帯性を重視していることから情報を携帯するといった、機能に注目するとノートパソコンより優れた所があるとも言えます。
PDAの基本はPIM機能であるといえます。本来外出先で必要な携帯情報とは、自分自身にとって何が必要で、それを実現する機能とは何かを考えてみる必要があります。ベストな環境は簡単に素早く自分が必要とする情報を引き出せることが基本と言えます。シャープ製のザウルスは長年の利用実績から、上記に示した機能や考え方に、マッチしているようです。今回の実証実験にて評価してみたいとの意見が多くありました。
PIM:Personal Information Management
2) PDAのユーザインタフェース機能としての評価
PDAの出力画面はカラーとモノクロ液晶タイプの2種類あります。その目的や費用により選択すれば良いと考えられます。モバイルニーズで昨今インターネットアクセス用途が増加していることを考えると、カラー画面でWeb上のコンテンツを閲覧できる効果は高いと言えます。それとは逆に消費電力が増え連続使用時間に制約が出てきます。PDAにはペンを利用した入力方法が多いようです。ザウルスのソフトキーボードは手書き認識率が高く、間違え変更操作も容易であると言えます。ペンの入力概念は簡単で人間の感性にマッチしていると思いますが、携帯電話に見られる操作の基本である片手操作には及ばないところもあります。今後の動向に注目したいと考えます。
3) 通信機能に関する評価
PDAを利用した、グロ−バルなインターネツトアクセス処理は、今後モバイル用途で頻度が増大すると予測されます。モバイルインフラ即ち、携帯電話(PHS)の拡大は目覚しく非音声通信がどこでも、簡単に利用できる環境と言えるようになって来ました。ここではPDAの通信機能について要約します。
イ)アナログ通信モデムが内蔵されているとISDN公衆電話のモジュラージャックを利用して有線モバイル通信が可能となります。
ロ)PHS、携帯電話接続ケーブルと対応ソフトがあれば、PHSや携帯電話を利用してモバイル通信が可能となります。
(注意 携帯電話は種類が多いので、接続可能な携帯電話を事前に調査して下さい。)ハ)IrDA(光通信機能)が内蔵されその機能が利用できればパソコン連動に便利な通信ツールとなります。
ニ)インターネットアクセスソフト(Webブラウザ、eメール)
インターネットにメール発信したり、受信するには、eメールソフトが必要、WWWの閲覧にはブラウザソフトが必要となります。PDAは、機能が制約されていることがあり、その通信利用やローカル処理利用に応じたソフトが搭載されているかどうかの確認が必要となります。
4) 導入の為の事前教育について
PDAはパソコンと異なり、OSと呼ばれる環境をユーザに拡張していない場合が多いようです。従ってパソコンでのWindows98/95の操作環境などを理解する必要がなく、初心者が操作を学習する壁は低いと言えます。
従って操作マニュアルの整備をすれば、パソコンのように事前教育に時間を掛ける必要はありません。また操作ミスで大きな障害と成らないことがパソコンとの大きな違いです。
5) その他
パソコンとの連動性は、PDAにとって重要な機能と言えます。PDA内部の情報処理だけで情報が完結されない場合が多いからです。住所や電話番号等携帯情報のマスターデータをパソコン上で、管理する場合が多い為です。
PDAを長年利用するとパソコンとの間で、データを同期したり送受信する業務や用途が多いことに気が付くことと思います。
即ち、オフィスや学内のパソコン上に大きなマスターDBを確保し、その都度モバイルに必要なデータをダウンロードしたり、アップロードしながら、PDAの小さなデータ空間を上手く管理することが可能です。その為にはパソコンとPDAの通信連動機能は重要です。
<今回実証実験で利用したシャープ製ザウルス>
1) 目的に見合った機種が存在するか
2) PDAとしてのローカル処理機能
3) その他
以上の項目で事前検討を行い、その結果を報告します。
1) 目的に見合った機種が存在するか
時期が早いだけに、検討すべ機器が限定されたていた。
近年携帯電話の普及に伴い、通信キャリアの営業努力によりiモードタイプと呼ばれる携帯電話が急激な勢いで、増加しているので、このことについても考察します。2) PDAとしてのローカル処理機能
電話機能を優先することにより、物理的な側面で制約が発生する、つまり入力画面と入力方法を、従来のPDAから変更しなければならないようである。
電話の発展もしくはPDAの発展双方から、今後の期待を込めて考察してみることとした。
イ)電話発展タイプ
焦点はiモード電話であるが、液晶画面サイズが小さいこと、入力機として現行のモデルでは機能不足である。別の視点で考えてみると、用途を限定してコンテンツ関連の充実度によっては、今後に期待できる要素があるようにも思えるが、今回は見送ることとした。
ロ)PDA発展タイプ
過去には、モバイル・コミニュケータとして、華々しく登場した商品であったが普及には及ばなかった、その理由は定かで無い。
インターネットの拡大により、モバイルでのインターネットメール端末が普及してきた。OL層を中心としたメール専用のPDAが良い例となつている。極論すればメールに特化したところが受けているようにも感じられるが、今回は見送ることとした。
3) その他
iモード携帯電話の飛躍とメール専用PDA、今後の発展を見ながら近い将来検討する日が近いと感じている。
![]() |
次へ → |