5. 既存データベースの活用に関する企画

5.1 企画の条件

5.1.1 企画の概要、目的

 情報技術の高度化、回線の高速化など、今後のネットワーク関連技術の動向を先取りするようなの教育利用のありかたを検証するため、既存のデータベースの有効利用を調査した。本プロジェクトでは新聞記事データベースを教育において活用することを通し、今後このようなデータベースを学校教育現場が活用していくため、インターフェースのありかた、学習カリキュラムヘの適用、今後の可能性等の基礎的要件を調査することを目的としている。

5.1.2 既存データベースの選定

 本プロジェクトにおいては、学校での学習活動の幅広い分野で活用が期待される新聞記事のデータベースを利用する。特に一般紙の中でも記事利用の評価の高い日経新聞データベースを利用した。

5.1.3 既存データベースのシステム構成

5.1.3.1 システムの概要

 本プロジェクトでは(株)日経データが提供する日経新聞記事データベースNEEDS-WS/BULKを用いている。

 新聞記事はISDN回線を通じ毎日配信されている。この情報は(財)コンピュータ教育開発センターに設置されているワークステーションで受信後、インターネットを介して、情報処理振興事業協会の情報基盤センターに設置されているサーバーに転送されている。受信以前の記事に関しては8ミリテープを用いて提供を受けた。
 休日を除き、新聞記事データはほぼ毎日更新されている。記事受信後、タイトルー覧、キーワードインデックスを再構築する。これらの作業をプログラムにより、自動的に実行している。
 記事の利用は登録制により利用可能である。本システムにおいては個人のパスワード管理の煩わしさを考慮し、学校毎のホスト単位で認証を行っている。今回の多くの学校ではPROXYサーバーをホストとして登録し、複数のクライアントからPROXYサーバー経由で利用を行っている。
 本システムヘのアクセスURLは以下の通りである。
 http://www2.edu.ipa.go.jp/~npdb/

5.1.3.2 システムのインターフェース

本システムはWWW上のホームページの形式で提供されている。

図5-1に示すトップページのアクセス後、検索のぺージヘリンクされている。


 ユーザー登録が行われていないホストからのアクセスがあった場合、アクセスができない旨の表示があり、利用資格を表示し、利用登録方法を示すぺージヘリンクが行われている。

 利用者が最初に新聞記事データベースにアクセスしたとき、および一定期問経過後初めてアクセスした際には、図5-2のように使用上の注意が表示される。

 ここでは著作権関係の注意事項が記述されている。


 これらを通過後、図5-3のような検索のぺージが表示される。


 検索ぺージではキーワード、日付、検索方法などを入力し、Sea「chボタンをクリックすることにより、検索を開始することができる。ここで再度ユーザーとパスワードが要求される。入力されたデータはサーバー側に送られ、DB検索エンジンで処理が行われた後、HTML形式で検索結果がブラウザに返され、図5-4のように表示される。


 検索範囲としては、(1)全文、 (2)見出しのみの指定が可能である。また検索方法としては(1)任意の文字列による検索、(2)キーワードによる検索が可能である。これらはすべてサーバー上でPerlで記述されたCGIプログラムによって処理されている。検索においては特別なプログラムを必要とせず、UNIX上のツールとして提供されている、grepとwaisが用いられている。
図5-1
図5-2
図5-3
図5-4
図5-5

  検索キーとして用いられる言葉が長い場合は自動的に複数の単語に区切られ、OR検索が行われる。
 AND検索による絞り込みを行うためには検索のスタイルの項目を「全文の組み合わせ検索」に設定する必要がある。
 検索の結果、得られた記事の一覧が表示される。表示される記事は、記事中にどのくらいキーワードが含まれていたかによってランキングされ、ランクの高いものから順に指定個数表示される。また、それぞれの記事中でキーワードを含む部分の断片が最大5個提示される。その際、キーワードは*で囲まれた形で表示される。
 このとき、検索画面で入力した画面が最初に提示されるため、再度検索条件を追加して再検索することなどが容易に行える。
検索結果に表示されたSeeボタンをクリックすることにより、図5-5のように記事本文を表示することが可能である。表示された記事は見出しを大文字で表示し、記事本文はその下に表示される。
 表示記事には記事ID、日付、提供メデイア(地方版の場合の掲載ぺージなど)を同時に表示している。
 本データベースで取り扱うのは記事本文のみであるため、写真等の表示は行えない。

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