毎日をより楽しく

---委員会活動に対する意見文---


この単元におけるインターネット利用の意図

 この教材では,単元名「毎日をより楽しく」からも分かるように,毎日楽しい学校生活が送れるようなアイデアや考えを出し,自分なりに楽しい学校生活作りに積極的にかかわっていこうとする意欲・態度を育てていきたい。そのため,まず現在の委員会の生活の中から問題点を見つけ,そこから自分なりの願いをもつ。その後,具体的な提案について先輩から意見を聞いたり,アンケートをとったりするが,他校の児童からもその学校の委員会活動において問題点の解消となる実践をしているかどうか聞き,それを参考にして自分の提案となるようにしていきたい。そのために,インターネットを活用して,他校に自分の委員会の問題点と,そのためにするとよいことを聞く手紙を出す。他の取材活動と合わせてその返事も参考にしながら自分の意見文をまとめることでよりよい内容となると考える。

1 毎日をより楽しく「作文」(小学校第5学年 国語)

(1) ねらい

 5年生になって,4年までのクラブ活動に加えて,委員会活動も始まった。高学年と呼ばれるようになって,少し責任感も感じるようになってきた時期である。一方,4年間の生活を通して学校にもすっかりなじんできている。多くの下級生の世話もするようになった。そういう時期に,児童が,初めて意見・感想を明確にした文章を書く単元である。

 ただ,意見文を書く場合,児童のもっている意見だけでは相手を説得させることには至らない。例えば,「いい学校にしたい」ということをスローガンのように何十回叫んでも相手にその真意が理解されない。そこで,具体的に自分の考えを述べさせ,すぐ実践に移せるような内容を書かせることがねらいである。

(2) 指導目標

  1. 身近な生活経験の中から意見を述べるのにふさわしい題材を選び, いろいろな角度から材料を集め,進んで中心のはっきりした意見文を書くことができる。
  2. 意見を明確に述べている文章を読んで,段落構成や意見の述べ方など 自分の表現に役立てることができる。
  3. 読み返して,より主題が明確な文章に練り直すことができる。

(3) 利用場面

 この単元では次のような学習場面でインターネットやコンピュータを活用する。
  1. 自分の委員会での質問を電子メールで打つ。
  2. 各校から電子メールの返事をもらう。
  3. もらった学校にお礼の電子メールをうつ。
  4. ホームページにのせる。
  5. 自分の意見文を各委員会の児童に分かってもらうために,コンピュータ 画面に絵をかいたり写真を入れたりして提示する。

(4) 利用環境

  1. 利用機種 NEC9821 CS2
  2. 周辺機器 MOドライブ
  3. 稼働環境 インターネットからプリントアウトして見せる。キューブ ソフトで絵と文章を打ち,インターネットにのせる。
  4. その他の利用ソフト

  5. インターネットのホームページにのせるのに簡易HTMLエディター を用いた。

2 インターネットを使った指導計画(4/6)

学習目標 学習内容
  • 教材文を読んで,学習の目的を理解することができる。
  • 教科書の導入部分を読み,ここでのねらいを話し合う。
  • 玉田君の作文の題「植物を愛する学校にしたい」について話し合う。
  • 玉田君の作文を読んで,心に響いてきた言葉文章,場面について発表する。
  • 自分は学校生活の中で,どんなところをよりよくしたいと思うか, 考えをまとめる。
  • 題材を選び,題名と主題文を書いて,それをもとに取材することが できる。
  • どんな学校にしたいか,題材を決め,題名と主題文をメモに書く。
  • 友達と意見交換しながら,どんな材料を探し書いたらいいかを考える。
  • 次時からは取材をし,作文にまとめる学習であることを知る。
(教師からは事前にお願いのメールを打つ。)
  • ノートにメモしておいたことをもとに取材をし,材料を集 めることができる。
  • 前時にノートにメモしておいた方法をもとに各自で取材をする。
☆インターネットを使って聞きたいことをメールに打つ。(メールを 受け取る。)
  • 自分の書こうとする問題について自分の考えが相手に伝わ るように,構成の工夫をすることができる。
  • 主題文をもとに,取材してきた材料を整理する。
  • 構成を考える。
  • 書き出しなどの叙述を工夫する。
  • 叙述を工夫して,作文を仕上げる。
  • 叙述を工夫し,作文にまとめる。
  • 書いた作文を読み返し,推敲する。
  • 発表会を聞き,友達の作品のよさや表現の工夫について, 感想交流し合う。
  • 発表会の準備をする。
  • 発表メモをもとに,発表原稿を作る。
  • 図,絵,写真など,掲示,提示する資料を用意する。見て楽しい 掲示物を作る。
  • 発表練習をもとに各自練習する。
  • 発表会を開く。
  • 友達の発表のよかった所,作品や表現の工夫などについて感想交流する。
(委員会の時間に発表する。☆ホームページにのせる。)

3 本時の学習内容

(1) 本時の目標

 自分の書こうとする問題について,自分の考えが相手に効果的に伝わるように,構成の工夫をすることができる。

(2) 本時の展開

学習活動 指導・援助
意見文の構成メモについて,大切にすることを確認する。
  • 自分の言いたいことがはっきりした意見文を書く。
  • 段落の構成がつながっているように書く。
  • 説得力のある言い方を工夫する。
  • 教科書の例の掲示を見て参考にするように促す。
本時の学習課題をつかむ。
読み手によく分かる意見文にするため全体の流れを考えて 構成を工夫しよう。
自分の構成メモを作る。
「中」の部分を完成する。
  • インターネット情報が役に立っていることを話す
友達のよいところを見つける。
代表の子の構成メモを見て,よいところを見つける
  • 観点にそって書くように話す。
  • OHPで代表の子のメモを見る。
ペアで見合う。
  • 観点から評価する。
自分の構成メモを見直す。
  • 内容をふくらます箇所を助言する。
直した構成メモを発表する。
代表の子の構成メモを見る。
  • 直したところをはっきりさせる。
次は構成メモをもとに意見文を書くことを知る。

4 評価とまとめ

(1) よかったこと

(2) 問題点


<資料>

1 お願いのメールの例

保健委員会  僕たち大薮小学校では,みんなが歯磨きをするように,昼休みに手洗い場でポスターをもって,呼びかけをしています。また,クラスごとによかったところ,もう少しのところを絵グラフで表していますが,まだ歯磨きをしない子がいます。そちらの学校ではどのようにしていますか。

 もう一つの問題ですが,朝マラソンから教室に入るとき,手洗いうがいをするように,見かけたら呼びかけていますが,どうすればもっとみんなが手洗いうがいをするか教えてください。

2 返事のメールの例

 わたしたちの学校では,全校集会で歯に関する○×クイズをしたり,歯の磨き方や虫歯のできやすいところをビデオで放送したりしました。そして歯磨きをがんばったクラスの表彰などをしました。保健室の前の廊下などに保健に関するクイズやポスターなどをはったりもしています。

 うちの学校では,朝マラソンをしていないのでそういうことには取り組んでいません。わたしたち保健委員会は19人全員が女子なんですけど大薮小の保健委員は男子は何人ぐらいですか。そして全員で何人なのですか。

3 ホームページの例

 みんなが歯をみがいてむし歯のない学校にしたい 加納 実環
okashi  あまい食べ物をいっぱい食べて歯みがきをしないとむし歯 になってしまうと,聞きました。あまい食べ物は当然だけどあまい食べ物だけではないと,思いました。

 むし歯になると,そのことに気をとられて,勉強ができな くなるし,病気にかかるりつもけっこうあると,先生から聞きました。むし歯だけでなく,病気にまでなるなんて,びっ くりしました。

mushiba-kin  3年生から6年生までにアンケートをとりました。 「どうしてみがかないのか」
と聞くと,
「めんどくさい」
「いそがしい」
「わすれてしまう」
という理由が書いてありました。むし歯のこわさが分からないようです。わたしたちは,今,委員会の取り組みで,歯をみがいている絵をもって,よびかけたり,歯をみがいたかを調べたりしています。前は,みんなが歯をみがくまでよびかけなくてはいけないので,はやくみがいてほしいな,と思ったことがありました。よびかけが終わったら,やっと終わったという気持ちでした。

 しかし,今は,わたしたちが,そんな気持ちではみんなは歯をみがこうという気持ちにならないことが分かりました。

neteiru hito  むし歯になったことのある人に聞きました。 「医者にかようのもいやだし,歯に注射だってされてしまうんだよ。」と,言いました。わたしは,むし歯になるとこう いうつらいことがあるんだなと思いました。歯に注射されるなんて,わたしはそんなことがないから,想像するだけでと ってもこわそうです。
ha to haburashi  むし歯になったことのない人に聞きました。 「あまいものをひかえて,おく歯のすみずみまでみがいて,歯のうらがわもていねいにみがくとむし歯にならないよ。」
と言ってくれました。やっぱりがんばって歯をみがいている から,むし歯にならないんだなと,思いました。
ana no aita ha  インターネットで,熊本県の立野小学校に 「みんなが歯の大切さを知り,歯をわすれずにみがくためには,保健委員の人はどんな仕事をしていますか。」
と,聞いてみました。立野小学校では,
「保健室の前のろうかに,クイズをはっています。」
と,答えてくれました。滋賀県の平野小学校では, 「委員会発表で○×クイズをしました。」
と,書いてありました。わたしは,クイズは楽しいから,楽 しみながら歯のことについて意識できるんだなと思いました
hoi ha to warui ha  今までのように,昼休みによびかけを続け,保健室の前や 放送で歯に関するクイズを出したりして,みんながむし歯にならないように気をつける学校にしたいです。
(実践者:輪之内町立大薮小学校 山北ちえ子)
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インターネットを利用した授業実践事例集 平成8年度