そこで,「働くことの目的」についてさらに深く認識させることが必要であると思われる。これは自分の将来の職業生活に備えるだけでなく,適切な進路選択のためにも極めて重要なことであると思われる。また,「学ぶことの意味」について考えさせることによって生涯にわたる学習の心がまえを持たせることは,中学での学習を充実させるためにも重要であると考える。
このリストから,生徒たちが質問してみたい職種の就業者の方にアンケートメールを生徒自身が直接出させることで,進路に対する関心を高めさ せるとともに,自分で発信したメールや情報に責任を持たせる。
指導計画(2/2) | 留意点 |
(1)働くことの目的を考える。
☆インターネットの利用 |
・事前指導として,自分たちの将来なりたい職業や,今の段階での働く目的についてのアンケートを実施する。
・平野小学校のホームページにある「全国おたずねメール」に登録してある就業者の方に質問を行う。 ・質問の内容や表現について,グループで話し合う。 |
○親や自分の身近な人たちに質問し,質問してきた結果を模造紙にまと める。
○「全国おたずねメール」の方々に質問のメールを送る。 ☆インターネットの利用 |
・まず,身近な人たちの職業観や働くことの意味などについて意見を聞く。さらに,インターネットを利用して様々な就業者の方にも同様の意見を聞 き,多様な価値観に触れされる。
・模造紙に整理することと同時にインターネットを学習をまとめるための道具として考え,調べてきたことの結果をホームページに記録する。 |
(2)働く目的について聞いてきたことの結果を発表する。(本時) | ・事前に行ったアンケートの結果と調べた後に考えたことを比較し,職業観や労働観に対しての意識を高めさせる。 |
学習活動 | 教師のかかわり | 備考 | |
1 | 前時までの活動内容を確認する。 | ・これまでの活動の確認をし,学習の成果が今後ホームページで紹介されることを知らせ,発表の意欲づけをする。 | |
2 | 本時の活動内容を知る。 | ||
働くことの目的を職業ごとに調べたことを発表し、なぜ 人は働くのか考えてみよう。 | |||
3 | 発表の準備をする。 | ・【学級活動の部屋】から返信メールを載せたページにリンクさせておき,生徒たちが自分で操作できるよにしておく。 | ・Macintosh Paforma
・TOWNSディスプレイ(画像提示用) ・学級活動のホームページ |
4 | 各班ごとに発表する。
・身近な人たちに聞いてきたことをまとめた掲示板を用いて発表する。 ・届いたものがあれば,Web ページを開いて,返信メールを紹介する。 |
・ホームページに載せた返信メールの紹介は,LAN接続されたコンピュータを通して画面を転送する。 | |
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5 | 質疑応答 | ||
6 | 「働くことの目的」について自分の考えをまとめる。 | ・事前に実施したアンケートの結果と学習した後にまとめた結果を比較し,意識が高まったか確認する。 | ・Macintosh Paforma
・TOWNSディスプレイ(画像提示用) |
ネットワークのつながりを利用することで,地域を越えてさまざまな意見や情報が収集できること,そして何より他の地域の方とのコミュニケーション手段が少ないこの地域性から,インターネットの活用はとても有効であることがわかった。
生徒からは,「働くことをただ単純に当たり前に考えていたが,電子メールを使って実際に働いている方に話を聞いてみると,いろんな意見があって勉強になった。」「インターネットでないと,村以外の人の話が聞けないので,今回のメール交換がとても楽しくできた。」と意欲を持って取り組む姿が見られた。
また課題としては,今回のように外部の方に質問をして学習する場合は,質問に答えてくれる協力者を捜すのが難しい,メールを出しても依頼した相手側がすぐに返信してくれるとは限らないので,届くまでに時間がかかってしまう場合がある,ときには返信されないこともある,といったことが挙げられる。
また,機器操作に不慣れな生徒への指導のあり方や,メールを出す際の礼儀や内容の吟味の指導が必要である。