WWW教材:
「ザ・ネット:利用者の指針とネチケット」 (図1)アーリーン・リナルディ著 高橋他訳 http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/ netiquette/fauj/index.htm |
図1 ザ・ネット:利用者の指針とネチケット |
「ネチケット・ガイドライン」
(図2)サリー・ハンブリッジ著 高橋邦夫訳 http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/ netiquette/rfc1855j.html |
図2 ネチケットガイドライン |
「ネチケット情報( ネチケットホームページ) 」
(図3)高橋邦夫編 http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/ netiquette/index.html |
図3 ネチケットホームページ |
WWW CHATシステム:
新100校プロジェクト自主企画支援グループにより作成されたCHAT CGIプログラム(1998年4月一般公開予定)をもとに本校用に修正を加えたものをチャットシステムとしてWWWサーバに設定した。生徒パソコンからはWWW ブラウザにより利用できる(図4)。 校内限定利用のためURL は非公開。 |
図4 WWW チャット |
指導計画 | 留 意 点 |
・ネチケットについて調べる。
★WWW 教材の利用 |
・あらかじめ,WWW 利用の指導をしておく。
・ネチケッット(ネットワーク上のエチケット)について,WWW 教材を通じて調べる。 ・技術的な用語については,用語解説の教材を利用させたり適宜個別に解説を加える。 |
・ネチケットのエッセンスをまと める。 | ・ネチケットガイドラインの膨大な項目の中からエッセンスとなる基本原則を示すキャッチコピーを考えさせる |
・チャットによるコミュニケーション体験。
★CHATの利用 |
・実際のコミュニケーション場面を実践体験する。
・教師もチャット会話に参加し,積極的な投稿の激励や,技術的指導を加える。 ・教師は事後の指導のために倫理的に問題になりそうな投稿文について生徒間の会話投稿から事例を収集しておく。 ・クラス全員という大規模なチャットにより複数話題が錯綜する極端な状況を意図的に設定する。 |
・コミュニケーション実践とネットワークエチケットの考察。 | ・実際のコミュニケーション場面において倫理的に問題となる投稿事例を指摘し,前に学習したネットワークエチケットとの関連を考察させる。 |
3 利用場面
(1) 目標
学 習 活 動 | 活動への働きかけ |
1 学習課題を知る | ・ネチケット(ネットワーク上のエチケット)を危険回避のための生活の知恵と位置づけ,インターネットについて抱く不安を克服し,積極的に活用することへの動機づけを行う。 |
2 ネチケットについて調べる
・ネチケットとはどういうものか,どの様な細目があるかを調べる。 |
・ネチケットホームページを中心に教材資料の所在を示し,調査させる。
・ネチケットガイドラインを示し膨大な細目を通じてエッセンスとなる事項をまとめる。 |
3 ネチケットの原則をまとめる | |
心がけるべき態度・原則
(1) コンピュータの向こうには人間がいる 相手はコンピュータ画面ではない/大勢の聴衆の前で話すようなもの (2) 実社会と同様に外部社会の危険に備える 情報の正確性を判断する/詐欺/個人情報保護 (3) 迷惑行為はトラブルにつながる ネチケットを知ろう/知的財産権の保護 (4) ネットワーク社会への貢献 ギブ・アンド・テイク/自ら貢献する態度を |
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4 チャットを体験 | ・メイリングリストでもよい。
・参加およびモニターし,適宜助言を加える。 |
リアルタイムの多人数コミュニケーションという極端な状況を設定し,話題の錯綜や混乱という体験を通じて,コミュニケーションのルールやマナーの必要性を体感する。
・聞く(読む)態度 ・話し(書き)方=話題に集中すべきこと,発言者名の明示,発言相手の明示 |
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>○○さん(○○さんへ)<△△(△△より) (^_^) :−)笑顔
という表記方法を紹介し,便利さ使いやすさ向上のための工夫を促す。 |
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5 まとめ
・体験と照らし合わせて,ネチケ ットの大切さを理解する。 ・どのような場合にどのような原則を考慮すべきかを関連づけて理解する。 |
・4の体験の中から,倫理的に問題となる事例を例示し,ネチケット意識を持つべきことを働きかける。
(事例の類型:話題の混乱,他人のプライバシーの開示,詐称・偽情報,誤解,誹謗中傷と受けとられかねない発言など) |
4 実践を終えて
ワンポイント・アドバイス
インターネット利用を始めた1995年当時,ネチケットの総合解説文献で日本語で読めるものはなく,先達から個別に指導を受けながら体験を通じて身に付けるしかなかった。この状態では生徒達にネットワーク利用時のマナーを指導する際に支障があるので,英語文献の邦訳により教材を作成しようと思い立ち,100校プロジェクト参加校を中心とした翻訳ボランティアの協力により1996年初頭に完成したネチケット教材がアーリーン・リナルディ著「ザ・ネット:利用者の指針とネチケット」日本語版である。同じ時期に邦訳した「ネチケット・ガイドライン」(RFC1855,FYI-28)もまた優れた教材となるものであった。これらのコンテンツと,教材を求めてWWWにより探したネチケットに関する文献リストをもとにして,「ネチケット情報ネチケット・ホームページ)」を開設し公益情報として提供している。このような新しい分野において教員のコラボレーションによる教材開発は今後も重要であろう。 |