発見しようすてきな街盛岡

岩手大学教育学部附属小学校

 

 国際化・情報化が進む現代社会は,以前に比べて世界中で同時に文化を共有しやすい環境が広がっている。このことは,メールやインターネットを通して地理的に離れている人々とも簡単にお互いの意志を伝え合うことができることにほかならない。

 今後,ネットワークコミュニケーションは,我々現代社会の身近な媒体として生活の中により重要性が増してくるものと考える。

 その意味において,21世紀を生きる子どもたちがコンピュータを自由に使いこなすことができるようになるための技能や知識の習得は必要不可欠である。

 また,コンピュータを使った方がより効果的であったり,分かりやすいということがあるため,コンピュータの特性を生かしながら多様な学習の可能性を追究していく必要があると考えた。

 「発見しようすてきな街盛岡」に取り組んだ初めのうちは,電話や手紙で情報を得ようとしていたが,あまりにも時間がかかり過ぎることと自分たちにとって必要な情報がなかなか入手できないことから,やがて子どもたちは,自分の必要な情報を自分の目で確かめながら入手できる手段としてインターネットを利用しはじめた。

 そこで,コンピュータを取り入れながら,子どもの意欲を高め,盛岡や岩手の環境問題を取り上げることにより,情報収集の一手段としてのコンピュータ利用から一歩進め,調査結果から考えたことや自分たちの思いを表現する道具としてコンピュータを使ったり,コミュニケーションの道具としての活用を試みた。

 同時に,情報化社会への対応と自らからから学ぶ力を育成する学習の可能性を探ることを目的とし,情報収集能力・情報発信能力を身につけ,高めていくことができるような,単元を構成した。

その結果,子どもたちは,コンピュータをより身近なものとしてとらえることができた。特に,学習旅行の調べ学習として位置づけた「函館を知ろう」では,それぞれの興味・関心のあるグループごとにテーマを決めて取り組み,盛岡と比較しながらまとめることができた。

自然環境に恵まれている岩手ではあるが,ただ眺めていたのでは本当のよさやすばらしさ,自然の尊さを発見することができないと考え,調査結果を科学的に分析したり,検証実験を行ったりすることにより,真の自然の姿を追究することを目的に設定したものである。

コンピュータやTV会議システムを活用しながら,県内5ヶ所の施設や学校と結んで公開授業を行った。この様子は国連大学の協力を得て,同時通訳を行い,インターネットを利用して全世界に向けて発信することができた。