総合的学習を活性化する企画

宮城教育大学附属小学校 

 

 本校では,「一人一人の子どもが自分で追求してきたことを相手に伝えたいという思いをもち,自分なりに豊かに表現できる力,そして,よりよく生きようとする力を育てていきたい」という願いのもとで総合学習に取り組んでいる。

 3年生以上の子どもたちは,日常生活の基盤である「仙台」を最大限に生かしながら,身近なところから自分の興味・関心に応じた課題を見つけ,追求し,表現していく活動で構成された「仙台とわたしたち」という単元に取り組んでいる。

 自分たちの「仙台」について追求したいことを学年の発達段階に応じて,様々な場面でインターネットを活用し,WWWから情報を検索したり,本校のホームページから情報を発信したり,フェニックス会議なども積極的に活用したりしていく。

 そのような活動を通して,総合学習を一層活性化し,自分たちの町「仙台」の特色やよさに気付かせたり,他の小学校や地域の人との交流にもつなげていきたいと考えた。

 東北三大祭りの一つである「仙台七夕」について調べ,自分たちの七夕飾りを作って飾ることができるようにするとともに,仙台に伝わる行事や祭りなどを調査・追求し,「わが町」仙台に対する理解と愛着を深めることができるようにする。

 自分たちの七夕飾りを作る活動の中で,せっかくの飾りなのだからいろいろな人の願いを吹流しに織り込みたいという子どもたちの声が出され,3年前から始めた本校の「インターネット七夕短冊」を活用し,広く世界から願い事を募集した。当然,本校の子どもたちも学校や家庭のコンピュータを使い願い事を書き込んでいった。子どもたちは,自分の書いた願い事が仙台の一番町に飾られるとあって,意欲的に書き込んだ。また,日本の小学校はもとより,海外日本人学校の子どもたちなど,世界各地から寄せられた願い事に感激していた。家庭でも,家族全員で書き込みを行うなど,インターネットを使った「七夕作り」を盛り上げていくことができた。そして,今年の仙台七夕の様子を本校のホームページで公開し,願い事を寄せてくれた方々への感謝の気持ちとした。

 この単元では,グループごとに分かれて仙台に伝わる行事や祭りなどを調べ,一枚新聞にまとめていく活動である。調べる手段の一つとしてインターネット上のWWWを活用した。

 予め,URLを「ブラウザ」の「お気に入り」に登録しておき,自分の調べたいことに応じて調査を進めることができた。また,家庭でコンピュータを操作し,参考になるホームページをプリントアウトして学校に持ってくる子どもも見られた。3年生の子どもにとって,インターネットがそれぞれの追求テーマの調査活動の一手段として加わったものと考えられる。

 自分で取り組んでみたいテーマを設定し,実際に触れる,見る,聞く,作るなどの体験活動を通して,仙台の歴史や文化に触れたり表現したりする追求活動を行うことができるようにする。

 今回の実験を通して,インターネットを活用して情報を収集することは,子どもたちにとって大変身近なものになった。と同時に,他校との交流の中で自分のものの見方や考え方を広げるきっかけにもなっていったようである。

 また,私たち教師間でも様々な情報がこれまで以上に行き交い,だれもが抵抗なく使える情報ツールになりつつある。これは,他のメディアと大きく違い,常に最新の情報が見つけられるということが大きい。