学級・学年・学校の枠を越えた環境学習での協調学習

つくば市立並木小学校 

 

 本校では,以前から全校で環境学習に取り組んでいるが,児童の主体的な学習の場を保証しようとすればするほど次のような問題点が出てきた。

 児童の興味・関心をもとに学習課題を設定するため,自分と同じ学習課題を持つ友だちが身近にいるとは限らず,話し合い活動などができない児童がでてくる問題点があった。

 そのため,ビデオメールやインターネットの掲示板機能,ホームページを用いることで上記の問題点を解決しようと考えた。

 環境学習において,児童の主体的な学習を保証するために学級・学年・学校の枠を越えて校内ネットワークやインターネットを用いて協調的な学習を行い,児童の学習の深まりや広がりを明らかにする。

 現在の身近な環境の実態をふまえ,それらを自分自身の問題としてとらえ,よりよい環境保全のために身近な活動を実践することができる。

 環境学習での実践をまとめ,発表し,意見を交換し合うことで,環境についての自分の考えを深め,これからの自分の生き方や他者との共存について考えることができる。

 環境実地調査を行った後,デジタルカメラなどで得た情報や考察などをグループウェアでまとめ,できたものをデータベースに登録し,学校の中で「いつでもどこでもだれとでも」見られるようにし,体験の共有化を図る。

 川の調査など自校だけでは調査しきれないものなどに関しては,他校と共同で調査研究を行う。

 上記の実践を通してできあがった研究内容をホームページに登録して,地域や他の学校などに情報発信して,さらに新たな情報交換の場としてしていく。

・現地調査活動で気づいたこと,疑問点から,調査テーマをつくる。

・夏休みを利用して,調査活動や観察,実験をする。

【花室川水質調査グループ(桜南小)】 【水草での浄化グループ(竹園東小)】

【アサザでの川浄化グループ(アサザの会)】【水生生物グループ(竹園高校)】

 その結果から児童たちは「花室川の源流は都市排水であり,その汚れを川自身が浄化していること。さらに下流に行くとまた家庭排水で汚れてしまうこと」と結論づけるなど学習の深まりや広がりができた。さらに,自分たちの調査方法を他の学校の友だちに教えるという行為を通して,自分たちの調査活動に対する自信や発表する能力を身につけたと考えられる。

 学校間交流といえば実際に行うために大変な苦労があるように思いがちだが,学校間でプロジェクトを設定してしまえば,あとは児童たちが自分で電子メールや掲示板などを使って日常的な交流ができるようになる。