「総合的学習の時間」をデザインする

河内町立岡本北小学校         

 

新指導要領では,総合的な学習の時間を地域や学校,児童の実態に応じ,各学校が創意工夫を生かして実施するよう定めている。しかしながら,現在試行段階でありどのように進めていけばよいのかはっきりした方向が見えていない。児童の関心が何に引き寄せられるかも未だ曖昧である。また自ら学び,自ら考える「生きる力」をはぐくむ児童の活動形態も見えていない。

そこで,日常の教科で行う学習の中で自分たちを取り巻く身近な環境に少しずつ目を向け,その場で感じた素朴な疑問・意見から児童と教師が一緒に考え,学習を進めていくことが初期としてはよいと考えた。

「環境教育の目的は,自己を取り巻く環境を自己のできる範囲内で管理し,規制する行動を,一歩ずつ確実にすることのできる人間を育成することにある」(1972年国際連合人間環境会議)とあるが,同じ生活環境の中で育つ児童だけでの学習では環境についての考え方が一面的な見方となり,偏った結論となる危険性がある。そこで,課題設定から結論の発表まで,インターネット,地域の人材,専門的知識のある人など立場の異なった人の見方や種々の情報を活用し学習を進めていくことが有効である。また,学習の成果を発信し,それに対する様々な立場の人々の新たな見方・考え方に触れることにより,新しい学習課題を設定することが期待できる。

校内のコンピュータ室は平成10年度末整備され,利用可能となった。また,平成11年8月になって職員室にインターネットが利用可能なコンピュータが1台設置され,これから情報教育について取り組んでいく体制を整えていく状況である。従って,平成11年度は児童と教師が学習ソフト,ワ−プロソフトに触れ,コンピュータに慣れ親しんで有効な活用方法を探っていくことを学校全体の目的として取り組んでいる。これら校内の環境・児童の実態から,今回はインターネットで受け取る情報は,マウスで児童に検索・閲覧させるが,送る情報については教師側で援助し送信してきた。更に,児童が自分たちで送る情報についてもコンピュータで作成し,送信したいと望む学習に進んでほしいと望んでいる。

具体的にインタ−ネットを活用した場面は,次の3つである。

1)       ニフティサ−ブのワ−ルドネットワークフォ−ラムの電子会議室を舞台に,国内外の団体と食べ物をテ−マに実践していることをオンライン上で議論し,学びを深めた。

2)       ワ−ルドスク−ルネットワ−クのホ−ムペ−ジを利用し,調べている活動の経過を掲載した。

3)       生きていく知恵を求めて北海道から東京までを徒歩で縦断中の冒険者グレゴリ−・マイケルに本校を訪問してもらい,児童が見つけた知恵を報告し意見交流を図った。その内容を,冒険者の「知恵だより」レポ−トに載せて他団体と意見交流をすることにより,新しい課題作りを図った。