飛ぶ教室

お茶の水女子大学附属小学校 

 

 学習が孤立でなく個別に行われ,その後の一斉学習で個別学習の成果が相互に交流する中で,自分の良さそして他者の良さが見えてくる。個性の伸張はこの場を通してなされる。さらに一斉学習の中で生まれたその集団の新たな学習課題は,再び個別の学習を喚起する。だがその時,学習者はワンランクアップした学習者として新たな学びを展開する。

 学習の成果を交流する範囲は,学級を飛び出し学校,更には国内の交流相手校からホームページを見てメールを送ってきた海を越えた国の学校のクラスへと広がった。

 入院先治療室と所属学級,また遠隔地間の静止画,動画,音声を含むメール,ホームページ情報の交流や共同学習。

  国際通信のコレクトコールに相当し,かつ私書箱やファクシミリの便利さの性質を備えながら,受けた情報を遜色なく利用して作品作りができるE-mailの添付ファイルやホームページを用いた情報の授受。

  学習に必要な情報の収集のみならず,学習成果を,一同に会する場を設けなくても多くの人に公開し,意見を述べてもらう機会の設定。

  創造活動「時事'99」で新聞記事を読み,社会に目を向け,自分の意見と仲間の意見を交流し,自分の考えを再構築する姿勢を培う。

 ジャンル別にこれまでの壁新聞の発刊活動を通しての考察を発表し,同じジャンルに興味・関心を持つグループの者との相互交流を図る。

・理科学習が継続して,入院前の児童と共に行えるように,その日の学級の理科の時間で出た学習課題を静止画または動画を貼り付けたホームページをリアルタイムに近い形で作成し,E-mailでアップを通知。

 「自分の足下は」というテーマで交流相手校の川谷小学校の校庭の下の様子を予想し図書資料から情報を得たり実際に近くの露頭の観察から情報を得たりしてたデーターを送る。

 このテーマは本校の理科学習と連動しており,自分たちの足下をすでに解析した子ども達は,一度尋ねた川谷小学校の校庭の下の様子を想像し,考えをホームページの形で開陳する。それに対応して情報が送られてくるようにする。

1997年から導入し本校が使用している「写真でインターネット」はホームページのフォームが定まっており何を作るかが明瞭。またキッドピックスなどで作成した画像やデジタルカメラで撮影した写真を手軽に入れられる。このため小学校1年生でもホームページを作成することができた。これはMac版のみ市販。1999年から導入した「キッズワード」はお絵かき機能,電子写真取り込み機能,文章作成機能及び通信機能を持った個別の部屋がマルチプルなユーザ一人一人に用意設定できる機能を有している。教室に1台のインターネットに接続したコンピュータという環境では,機能面からも予算面からもこれとネットスケープコミュニケータ1本でこれと同等の実践が可能だ。うれしいことに「キッズワード」のスクールパックは本体1本を購入し,あとはライセンス分を払えば番号だけが送られてきて本体は付いてこない。ソフトの分厚い箱をいくつも棚に並べなくていいのがうれしい。これはWin版のみ市販。