「10分間読書をしよう」推進のためのPC利用について

大和市立緑野小学校 

 

 全校で朝の時間に実施している「10分間読書」をさらに魅力あるものにするために,図書室でのインターネット利用を考えた。

 本企画の目的としては,図書室に2台のパーソナルコンピュータを置き,インターネットと接続することによって,児童がどのような活用をするかを検証すること,および,PCから得た読書についての情報が「10分間読書」とどのように関連していくのかを見極めること,とした。 

 PC2台の設置は,平成11年9月に完了し,10月からインターネットホームページ閲覧可能となった。12月までの3ヶ月間は,とりあえず試行期間ということで,自由に使用させることとした。設置場所は,校舎西側4階図書室入口付近で,幅1.5mほどの机に2台を並べておいてある。インターネット回線とは職員室のルータを通し市役所のサーバにISDN回線で接続されている。

 平成12年1月の職員会議で,「主として図書の検索や読書に関する情報を得るために利用する。学習利用を中心とする。」と位置づけを見直し,現在に至っている。また,授業の時間の他に児童が利用できる時間は,業間・昼休み・放課後である。

 ブラウザを立ち上げると,大和市立図書館のページが立ち上がるように設定されている。そのページでは,「図書館ニュース」「図書館案内」とともに,ホームページ上から蔵書検索ができる。本の内容までは表示されないが,書名,著者名,出版社,分類記号,収蔵場所等がわかる。現在ブックマークには,青空文庫,子供の読書のホームページ,主要新聞社,大和市ホームページが登録されている。

 インターネットで何をみたかの問いに,歴史など学習のページが49名と多いのは,学年で取り組んだ歴史学習の発表会の資料集めに使われたからである。授業での使用は,情報検索の目的がはっきりとしているからか利用率を一気に高めることがわかる。また,図書室のPCは2台と限られているため,検索をした子どもたちは授業時間以外も自主的に使用したものと思われる。

 今後はPC室の20台のPCを利用するなどして,一斉に図書検索の方法等を紹介しておく必要があると考えている。また,最近市内のインターネット利用率が高まり,市役所のサーバ経由でアクセスしているため,時間帯によっては接続できないといった状況も起きている。今後の回線の高速化に期待したい。

 ところで,読書に関係のあるページを閲覧した子どもは7名であるが,大和市立図書館のページをみたことがある子は9名に増えている。これは,歴史学習の中で,市立図書館の検索システムを使って図書検索をした子どもの人数が含まれているからだと思われる。

 今後の課題の一つは,子どもたち同士の掲示板としてPCを活用することである。PCの利用により,子どもたちの感想等を記録し長期に保存しておくことができる。また,感想等の検索も可能になる。なにより便利なのは,そこに行けば必ず情報が見つかるということである。掲示板による情報交換を一つのきっかけとして子どもたちの読書経験がどのように広がるのか,検証してみたい。