栄養満点そよかぜランチ・プロジェクト

上越市立東本町小学校 

 

 全校児童がコンピュータに触れる機会を増やすことと,児童の生活のアンケートをとる目的で,「生活アンケート」のCGIを作成した。マウスでクリックするだけの簡単な操作でアンケートに答えることができるため,低学年でも利用することができる。また,アンケート集約の手間が省け,結果をすぐ児童に見せることができる。

 活動の様子をデジタルカメラで撮り,校内のホームページに載せておくことにより,同時に複数の児童が自らホームページを作成する際に活用することもできる。

 こうして作られた児童のホームページを最終的にインターネットに公開することにより,自ら作成した情報を発信する体験を行い,多くの人から意見や感想をいただき,発信する喜びや次への活動意欲につなげていく。

 給食の様子から,偏食や嫌いなものを残してしまう児童が多いことに気付いた。また,日常の食生活を調査しても,緑黄色野菜・無機質を進んでとる児童は少ない。児童にとって「栄養のある食事」と「好き嫌いをしないで食べること」は,分かっているようでも日常生活の中で実践しにくいものである。そこで,食と健康に関心をもち,食生活を振り返るとともに,バランスのとれた食生活を送ろうとする態度を育てたいと考えた。

 そのため,たくさんある食品の一つ一つにどのような栄養があるかを児童に覚えさせるのではなく,食品名をコンピュータに打ち込むことにより,その食品がどのような栄養素をもち,さらに食事全体として栄養のバランスがどうであるかを視覚的に捉えさせるようにする。コンピュータを利用することにより,「栄養のバランスがとれている」という要件を満たした,給食のメニューを試行錯誤しながら作ることができると考えた。

・学習したことをもとに,栄養のバランスのとれた給食メニューを作ることができる。

・自分たちの考えた給食メニューなどをホームページ化し,地域や他の学校に向けて情報発信し,情報交流のきっかけをつくる。

 実際に児童が給食メニューを作る際に,「栄養調べCGI」を利用することで,自分達の作りたいメニューの食品を容易に入れ替えたり,栄養を考え一部だけを変えたりすることができ,試行錯誤しながら栄養のバランスがとれたメニューを作ることができる。

 「メニューづくりのポイント」をもとに,自分のアイディアを生かした「栄養満点そよかぜランチ」のメニューをインターネット(栄養しらべCGI)を活用しながら,試作することができる。

 子供たちの力で,栄養のバランスがとれた,すばらしい給食メニューを作ることができたことは,新潟インターネット教育利用研究会に作成していただいた「栄養調べCGI」と,学校栄養職員のアドバイスによるところが大きい。児童は,この活動を通して,イントラネットを利用する利点を知り,他の活動でもホームページを作成するときや,自分の撮った画像を発表するときなどに利用するようになった。また,休み時間にインターネットを利用したり,自宅での朝食のメニューを「栄養調べCGI」に入力して,栄養のバランスがとれているかを調べたりするなど,コンピュータを自分の生活に生かす姿や食に対する実践的な態度も育ってきた。