社会科における一人学習とインターネットの利用

福岡町立福岡小学校 

 

 富山県は,おわら風の盆,立山黒部アルペンルート,氷見の鰤など,全国的に有名な祭りや観光地,特産物を有する,海や山の自然に恵まれた県である。また,経済企画庁の「新国民生活指数」では「住む」の分野で6年連続全国1位にランクされるなど,豊かさや住みやすさにおいて全国トップレベルの評価を受けている県でもある。しかし,日本海側というイメージや保守的な県民性から,地味,暗いという印象ももたれているのも事実である。そこで,今回の学習では,富山県は全国的に印象が薄いと捉えられている事実から,「富山県イメージアップ大作戦をしよう!」と投げかけることで,名前だけは知っていた富山県の名所や特産品,行ったことがある施設についてもっと深く調べたり,名前さえ知らなかった市町村について調べようとしたりするきっかけになるのではないかと考えた。

  富山県のイメージアップを図るためには,まず富山県が県外の人々にどのような印象をもたれているのかを知ることが必要となってくる。また,富山県を紹介するにあたってはホームページや資料で調べた事実だけでなく,その土地で住んだり働いたりしている人々の考えを交えながら紹介していくことで,より説得力のあるものになるだろう。さらに,自分たちの学習の成果を披露したり,意見を募ったりする場として学校のホームページや掲示板等も活用していく。

 キッズリンクのメーリングリストを通して,全国の子供たちから募った富山県についての感想と,自分たちの考えと比べながら話合しうことで,客観的な面からも富山県について考えていけるようにする。

 コンピュータを使って調べることを希望した子供が能率良く調べ学習を進めることができるように,事前に富山県庁や市町村のホームページをダウンロードしておく。

 図書資料やビデオ資料,ホームページ資料,Eメールでの質問,電話取材等から自分の課題にあった調べ方を選び,自分の判断で学習を進めていくようにする。

 追究が行き詰まって停滞したり,追究が終わって満足したりしている子供には,新たな視点をもって調べるように助言したり友達と情報交換ができるようグループ学習をするように助言したりする。

 自分が調べている観光地で働いている人々の願いや努力について目を付けている友達の発表を聞くことで,自分の問題についての考え方やまとめ方を見つめ直し,その土地で働く人々の願いや努力について考えようとする。

  社会科の学習としては,調べ学習のためのホームページ利用の他に,メーリングリストの利用,掲示板の利用,Eメールの利用,ホームページでの学習成果の発信と,多方面での使用を試みた。メーリングリストの利用は,いたずらメールの防止,電話番号や住所等を教えたり聞いたりしない,等のマナーや注意点のしっかりとした指導は必要だったが,全国の友達と情報を交換したり,自分たちの学習の成果を発表したりするという点でとても役に立った。また,掲示板の利用もメーリングリストの利用同様,使用上の指導は必要だが,活用の価値が多いにあると思う。今回の「富山県イメージアップ大作戦」は社会科の学習として行ったが,総合的な学習として進めていってもよかったのではないかと思う。