ドイツとの国際交流(ボトルメールを活用して)
福井県春江町立春江小学校
本校(春江小学校)とドイツの小学校との交流は平成10年度からスタートした。言葉による交流(ドイツ語,日本語,英語)はお互いに困難であるため,絵による交流を中心に行ってきた。テーマを決めて同じ用紙にそれぞれ絵を半分ずつ描き合い,交換するという方法をとることにより,お互いの生活や文化の違いをはっきりと感じ取ることができたように思う。しかし,絵をそれぞれAIR MAILで送り合うということで,一つの交流(絵の交換)に一ヶ月以上時間を要してしまい,こうした交流の間延び感は,結果的には子供たちの意欲をそぐことにつながっていた。
絵の交換手段としては電子メールの添付書類,ホームページ交換,そしてボトルメールである。
ボトルメールとは,リクルート社が開発したグラフィカル電子メールソフトである。”瓶(ボトル)に入れた絵手紙を海に流す”という感覚でお互いにメールのやりとりができる。
このソフトは文字や絵,あるいは写真などを簡単に貼り付けることができるので,手軽に交流できる手段になると考えた。
近年,国際化の波が急速に押し寄せ,その波は子供たちの生活の中にも少しずつ入り込んできている。そこで,将来,国際化の進む未来社会で活躍する子供たちの生き抜く力として,国際的視野をもつこと,多様な文化理解に基づく豊かな国際感覚をもつこと,そして,意思の疎通を図る手段としてのコミュニケーション能力をもつことが大変重要になってきている。
幸い,本校はドイツの小学校(Weiskirchen)とメール交流をする機会を得た。そこで,交流を通して,お互いの文化を理解し合い,それらを尊重する能力や異なる文化をもつ人々と共に生きていく資質や能力の育成を図りたいと考えた。
”交流学習とその他の総合的な学習の最大の違い”それは,相手も学習者であるということである。従って一方の都合だけで計画を立てるのではなく,それぞれの目的を有効に絡ませながら交流を進めていかなければならない。そのためには,教師同士の綿密な連絡調整が国際交流においても重要であると考える。
また,交流の手段としてボトルメールは大変有効であると感じた。このソフトは,お絵かきソフトとメールソフトを融合させたような作りになっているので,子供たちは簡単な操作でインターネットを通じて絵や写真の交換ができるという利点がある。ボトルメールは本来,誰にひろわれるかわからないというコンセプトで設計されているソフトであるが,返信機能が付いているので送信者のもとに必ず返事が返ってくる。人と人とをつなぐきっかけを作る有効な手段である。今回は,リクルート社の協力により,流されたメールが一覧できるようにホームページ上に掲示板を作っていただいたので,交流の全体の様子を確認することができ,大変ありがたかった。今後とも,ボトルメール等のインターネットツールを有効に活用してドイツと交流を深めていきたいと思う。