交流活動にコンピュータを生かした総合学習

福井大学教育地域科学部附属小学校 

 

 本校1年は,「たんけん大すき,なかま大すき,ふれあい大すき」をテーマに,総合学習の実践・研究に取り組んでいる。1年生ならではの活発さや,好奇心の強さを生かして,自然や生き物など身の回りの環境に進んで関わってほしい,見つけたことや思いをいろいろなやり方で伝えようとしてほしい,友達と一緒に楽しく活動を進めてほしいと考えている。

 さらに,コンピュータを活用すれば,交流活動が他小学校にまで広められるのではないかと考えた。他の小学校の1年生と情報をやりとりすることで,違った環境に気づいたり,新しい仲間の輪をつくったりして,いろいろなことを発見する機会を増やすことができるものと思われる。そこで,電子メールやテレビ会議システムを利用して,福井市立社西小学校の1年生との交流を,進めていくことにした。

 そのねらいは,「身のまわりの自然や生き物に関わり,ふれあいを楽しむなかで,不思議さやおもしろさを豊かに感じとる。」「身の回りの社会や自然に進んで働きかけたり,友達や教師,家族などとの関わりを大切にしたりしながら活動する中で,自分なりの考えや思いをのびやかに表現する。」「仲間と話し合ったり工夫したりしながら活動を進めるなかで,いろいろなよさを見つけて,自分の活動に生かそうとする。」の3つである。そこで,電子メールやテレビ会議システムを利用した表現・交流活動を進めることにした。

 子供達の声をテープに録音したり,様子をデジタルカメラで記録したりして,必要に応じて,音声や画像ファイルが添付できるようにする。

 情報学習の一環として,また,メディアキッズなど開かれた掲示板を利用するための第1歩として,電子掲示板を,毎朝子供自身で確認するよう意識付けする。必要な操作も身につけさせる。

 本校1年生のホームページを見て,社西小学校の1年生が電子メールを送ってくれた

メールの内容は自分たちの総合学習の紹介であった。本校からも,電子メールで返事を送った。子供達の目の前で,電子メールを開いたり書いたりするために,教室のコンピュータを使用して行った。

 テレビ会議を使った交流では,社西小学校の1年生が,木の実や落ち葉を使った作品や遊びを紹介したり,本校の1年生が,集会で発表する遊びを見せたりして,お互いの総合学習の様子を情報交換した。スクリーンやスピーカーを通して,相手の姿や声が伝わってくるので,司会をする子供達や,発表に取り組む子供達が,緊張しながら真剣に取り組んでいた。

 活動を進める中で,1年生がコンピュータに触れることを大変喜び,すすんで使い方を覚えようとしたり,メールが届くのを心待ちにしたり,音声を送るためにすすんで感想を録音しようとしたりして,意欲的に活動する姿を見て,情報機器を利用をすることが,活動を活発にしたり,交流を深めたりする上で,とても効果的であると実感した。