食文化交流をベースにした国際理解教育

岐阜県大垣市立静里小学校 

 

 自国の食紹介でのインターネット利用,日本の料理人とのTV会議利用,各国の食を紹介するためのホームページ作成(動画付き),メールによる意見交流,食を体験したあとの感想交流でTV会議利用などを行う。

 児童の情報活用力,新しく創造する力や国際的なコラボレーション能力を伸ばすことをねらいとする。また,外国の食文化にふれることから始まるこの交流学習を通して,「生きる力」を育む総合的な学習へと発展できると考える。また,当たり前に考えている食について身近なところから見つめ直し,地球規模で「食べ物」を考えるため,他国の小学生と交流して21世紀の食べ物についてこうあってほしい,こうならなければならないという主張を世界に向けて発信したいと考える。そのためには,児童が課題意識を強く持って取り組めるようにしたい。

 今の食の抱える問題点を提示し,それについてまず自分たちで調べ,他校の児童との交流を通して理解を深めながら,身近かな食から地球規模の食まで関心を持ちながら意欲的に課題を追求し,わかったことをコンピュータを使ってまとめ,情報発信することができる。このような活動を通して,『課題意識→課題追求(調査活動)(a)→意見交流→課題追求(調査活動)(b)→意見交流→情報の整理→情報発信』の情報活用能力を育てる。

 子どもレベルでの国際的な食文化の交流から始め,食の中でも自国独自のおやつ・自慢料理について調べて,WEBページとして紹介し合う活動を行う。そして,その中から実際に調理する活動を仕組み,感想を話し合う。また,各国の食材を生かした全く新しいメニューづくりを共同で行う過程を設定する。作って味わうといった体験活動も重視して進める。

共同実践校は,Emerson Elementary School (アメリカ),De Ceder Primary School(オランダ)

 食文化について調べ学習を行う際,図書館の本を調べたりや聞き取りを行うが,主にインターネットを利用する。教室からもノートPCでインターネット接続し,いつでも情報を引き出し,プリントアウトできるようにしておく。

 本やインターネット,取材(聞き込み調査)などで調べたことを交流し,さらに深めていくためにテーマ別グループごとにホームページを作成する。

 まとめが完成したら「ホームページ機能」の使い方を教え,「ホームページ書き出し」をしてファイル保存する。

 この実践を通して,インターネットに関連したコンピュータリテラシー(情報検索,情報収集,ホームページ作成など)は向上した。また,調べ学習やアンケート調査を通してあまり意識することがなかった食べ物,さらに地球規模の「食料問題」への関心は高まった。