オリジナル曲をインターネットで交流学習

香寺町立中寺小学校 

 

 本校では,コンピュータを活用した学習を,総合的学習はもちろん,各教科においても積極的に利用し,コンピュータの利点を活かした利用法の研究に取り組んでいる。その中で,音楽科についてもコンピュータで簡単なふしを作り,自分の作ったふしをリアルタイムで聴きながら,自分の思いをメロディーの中に表現していく活動を行っている。

 しかし,これからの学校における音楽教育は自己表現活動だけにとどまらず,それを基にしたコミュニケーションをも重視する必要がある。音楽活動には,歌唱表現の技能習得や楽器を演奏する技能の習得,また楽譜を読み書きする技能の習得が不可欠である。しかし,それらの活動に時間と労力をかけすぎると,お互いにコミュニケーションのない音楽活動になってしまう。

 そこで,表現したいという意欲さえあれば,表現活動の技能習得が不十分であっても表現活動をすることができるコンピュータのMIDIシステムを活用した。またコンピュータを利用することにより自分のクラスだけでなく他のクラス,さらにインターネットを通して他の学校とも交流し,音楽を基にしたコミュニケーションができると考え,本題材「自分の音で表現」を設定した。

 本題材は,まず「越天楽今様」で,日本の伝統的な音楽の響きを歌や合奏で味わい,「春の海」で日本の伝統的な楽器である箏と尺八の音色に親しむ。そして,コンピュータを使って日本のふしを創作する。自分が作った曲をすぐに聴けたり修正したりすることが簡単にできるコンピュータの利点を生かし,よりいっそうふしづくりに興味関心をもたせる事ができる。また,インターネットを利用することで,学級・学年の中のみならず,他校の児童とも交流し,その視野を広めていく学習を進めていくことができる。

 指導にあたっては,まず既習曲で音楽ソフト(バーチャルミュージくん88)の使い方を学習する。次に,日本のふしや伝統的な楽器の特徴を知り,日本のふしを作る。さらにオリジナル曲を作り,そのイメージを絵と俳句で表す。それをホームページに公開し,感想や意見を交換した上で,もう一度作品を修正する。作品の制作を通して,お互いにコミュニケーションを図りながらの音楽活動を目指す。