小規模校におけるインターネットの有効利用
甲奴町立宇賀小学校
小規模校にはメリットとデメリットがある。このデメリットを克服するため,教室や学校という枠を越えたつながりを可能にするところに,インターネット利用の大きな存在意義がある。また,学校間の交流は,行事や時間の調整が難しく,深まりや継続という点で課題があるが,掲示板やテレビ会議を利用することにより,教職員同士の打ち合わせもできるため,インターネットの利用が有効であると考える。
小規模校における体育科の学習では,器械運動や陸上競技など個人の克服種目については指導も十分にでき,学習も深まるが,チームプレーを必要とするボール運動ができにくい。人数が少なくチームが組めないので,全校で体育をしている。全学年で体育をすると,体力差が大きいため普通のルールではできない。そのため,ルールを工夫しながら進めているが,高学年は力が出し切れないところもある。
ホームページによる呼びかけ
宇賀小学校のホームページに,小規模校交流のページを作成し,体育科でゲームを思いっきり楽しみたいという同じ思いをもっている人に参加を呼びかける。
パスワード付ホームページで自己紹介
呼びかけに応じてくれた学校と,専用線接続のサーバを借りて,パスワード付のホームページを使い,外部へは名前や顔写真が見られないようにして児童一人一人が自己紹介をする。
掲示板を使っての学校紹介や実態交流
自己紹介と同じく,パスワードのかかるホームページを利用し,学校で最近はやっている遊びや,児童数,気候,地域の特徴など,掲示板に書き込み交流する。
チャットによる意見交流
掲示板への書き込みでは,質問したことへの返事がすぐに返ってこないため,チャットを使い,自分たちの実態に合った体育科のボールを使ったゲームについて意見交流をする。児童自らキーボードを使って文字を打つ。
テレビ会議システムによる交流
体育科のボールを使ったゲームについて,リアルタイムに交流する。コートやボールの種類,詳しいルールについて,話し合う。
ネットワーク環境としては,甲奴町立宇賀小学校,比和町立古頃小学校,吉舎町立八幡小学校徳市分校に,それぞれADM K-6 350MHzを置き,ISDN64kで各インターネットプロバイダーまで接続した。しかし,この3校はどこもダイヤルアップ接続のため,フォルダへパスワードをかけたり,IPアドレスを固定することができない。そのため,パスワードつきホームページや,掲示板,チャット,Cu-SeeMe
Reflectorは,専用線で接続されている呉市立三坂地小学校のサーバを使わせていただいた。