笠間市小中学校ホームページ作成研究会

笠間市立笠間中学校 

 

 学校でのインターネット導入が進み,笠間市でも小学校6校・中学校4校の全10校にコンピュータ室が整備された。職員室のみであったインターネット接続も,コンピュータ室の全コンピュータをインターネットに接続する計画が進みつつある。しかし,ハード面だけが整備されても,インターネットを教育現場で有効に使うことはできない。機器に適したソフトウェアの導入や,実際に児童・生徒に接する教諭の研修など,ソフト面の充実が必要である。幸いにも,笠間中学校には100校・新100校プロジェクトに参加し,インターネット教育利用実践を続けてきた経験と研修を重ねた職員がいる。コンピュータ室の生徒用コンピュータ以外にも配線を伸ばし,校内のいたるところでインターネットを使えるようにしてきた経験から得たハード面の情報もある。今回,市教育委員会がまとめ役となり,各小中学校の情報教育担当者(インターネット担当者)が集まって,情報交換と相互研修の場を設けることになった。笠間中学校の持つ,経験・情報といったノウハウの共有と,各校の協力によるインターネット利用の相乗効果を期待したのである。さらに,今年度中に各校のホームページを作成し,ネット上に公開することを当面の具体的目標として活動を開始した。

 ホームページは,小学校1校,中学校1校の計2校がすでに公開している。全10校での公開を目標とすることを確認する。小学校6校は,平成10年に同一の環境(Windows98)で児童用にコンピュータ室が整備されたが,中学校では導入時期の違いから,いまだに生徒用コンピュータ室はMS-DOS環境のままの学校もある。来年度には新しいコンピュータの導入が計画されており,その事前準備のためにも相互研修が必要であることを話し合う。

 12月に全校にISDN回線とルータが導入され,小学校6校ではコンピュータ室の全コンピュータからインターネットへのダイヤルアップ接続が可能となる。授業の中で,児童自らブラウザソフトを起動してWWWからホームページを見ることにより,インターネットに対する興味・関心は一気に高まった。前回同様,各校のホームページを発表し合い,内容を検討する。各校独自のページが増え,地域情報を重視したページ,交流校との情報交換ページ等が紹介された。デジタルカメラで撮影した,校内や学校行事での児童・生徒の写真を利用してページが彩られている。肖像権等のこともあり,写真の解像度を落としたり,個人が特定されるような使い方は避ける工夫もされている。さらに,cgi を利用したカウンターや掲示板の使い方についても検討した。ガイドラインについては,笠間中や先進校のものを参考に話し合い,校内管理体制・モラル指導・WWW利用の制限・ホームページや電子メールでの個人情報の取り扱い・掲載許可取得など基本的な部分を各校で検討し,市内で統一していく方向でまとめた。また,笠間中のサーバを利用して生徒用に電子メールアドレスを発行し,授業や特別活動で利用できるように研修を行った。研修会は今回で最後となるが,今後も電子メールを利用した情報交換を続け,市内10校と教育委員会の連携を深めていくことを確認した。

 各校の情報教育・インターネット担当教師は,全員がコンピュータに熟知していたわけではない。ハード面が整備されていく一方で,どのように教育に活用していくかという悩みもあった。この研修会の実施により,相談したり,新しい技術・情報について研修を行う場が確保された。得られた情報を各校での校内研修に生かすことにより,市内全校のコンピュータやインターネットを利用した教育に関する関心も高まった。笠間中の5年間のインターネット教育実践の積み重ねは,各校でも実践可能であること,共有できる財産であることが理解された。この研修会をきっかけにホームページ作成も進み,今年度中に教育委員会を核として全校の連携を強化したものが公開できそうである。

市内の学校の特色・教育実践・児童生徒の総合的な学習などの研究作品へリンクをしていきたい。社会科などの学習に役立つ内容を掲載していきたい。