メディアスクール GODO

岐阜県安八郡神戸町立神戸中学校

 

 理科での学習は,実験等の事実を基に考え,行動する「生きてはたらく力」を身につけさせたいと考える。しかし,すべてにおいて,その事実を実験等で提示できるとは限らない。そうした場合には,教科書の写真等から読み取る授業になる。

 そこで,今回の天気の変化を学習する場面では,教科書の資料から学ぶのではなく,今日現在の天気図をインターネットで引き出し,肌で感じる天気と天気図を比べながら明日(未来)の天気を実際に予想していく。予想にあたっては,現在の天気だけでなく,今朝,昨晩と時間ごと観測された天気図も調べ,その変化の様子から次の天気を考えていく。

 本校は,昨年9月にパソコンの入れ替えをし,校内LANやインターネットへの接続など環境面が整い,本事業を機会に全教科,全職員がインターネットを活用した授業の可能性を研究してきた。ここでは,2つの実践を報告することにする。

 ・理科(地学) 最近のTVの天気予報は,いろいろな情報・表現を用いており,生徒は,天気図や雲画像になじんでいる。特に台風が来た時には,現在の位置や進路予想,台風の大きさや速さを知ることで,家庭で対応を準備するなど,生活に生かしている。ここでは,インターネットを使って,リアルタイムな情報を入手し,あらゆる角度から移り変わる天気の状態を,現状と結びつけることができるようにする。

 現在の雲の動き,高気圧,低気圧の位置,前線の位置,等圧線,各地の天気など,天気を決める要因をインターネットで調べ,移り変わる天気の様子を見つけだすことができる。

 ・日常生活における電機の利用  生徒たちは,電気エネルギーを豊富に使える中で生活している。しかし,その電気エネルギーが有限であることに,ほとんど気づいていし,気づいていても節約する意識は低い。そこで,電気の学習の導入にあたり,少しでも自分の家の電気機器の節電について関心を持たせ,今後の学習の意欲を高めさせようと考えた。そのために,自分の家の電気機器の無駄遣いの様子を知り,その節電方法を調べようとした。インターネットは,その節電の方法がのっているだけでなく,節電することでいくら電気料金が安くなるかということも調べることができ,生徒一人一人が意欲的に疑問を解決しようとするよさがある。

 私たちの生活を振り返ってみると,身の回りに電気機器あふれ,その種類も台数も増え続けている。それに伴い,電気の需要も増え続けている。コンセントにプラグ差し込むだけでいとも簡単に使え,あたかも無限のエネルギーのように電気を使っているが,その裏には資源の問題がある。またクリーンである電気エネルギーも,その先には発電にともなう環境破壊の問題もある。私たちはそのような状況を認識し日常生活の中で電気の利用について真剣に考え,省エネを実行していかねばならない段階に来ていると考える。

 そこで,電気の利用による生活の便利さのなかで,消費者として電気の有効な利用の仕方,特に節電の方法を知り,家庭で実践していこうとする意識を持つ絶好の機会としたい。

 発電所が抱えている問題をきっかけに,自分の家の電気の無駄遣いに気づかせ,地球 に生きる一人として,また家庭の電気機器を適切に使用する一人として節電することの必要性が理解でき,節電の方法をインターネットで調べ家庭に発信することができる。

 電気エネルギーは限られた資源であることから,自分たちにできることは「節約」「節電」であることを理解でき,その言葉を手がかりにしてインターネットの検索機能を利用する。また,自分が節電したい電気機器名を絞り込みしていくことでほしい資料が手に入り,具体的な節電方法を知ることができる。