菰野町内12年間一貫教育のためのネットワーク構築

菰野町立菰野中学校 

 

 菰野町内には2つの中学校区があり,菰野中学校区には4つ(菰野中,菰野小,千種小,鵜川原小),八風中学校には3つ(八風中,竹永小,朝上小)の町立の小・中学校がある。また,菰野中学校に隣接して三重県立菰野高等学校(以下菰野高校)が町内唯一の高等学校として存在する。小・中学校ではコンピュータ環境は整っていなかったが,新学習指導要領公示を受け,菰野町も本年度中に小・中学校7校すべてにケーブルTV回線を使用したインターネット環境が完備し,中学校2校に各40台の生徒用コンピュータを配備することを決定した。

 情報教育を推進するためには,インターネット・サーバを設置する事の有効性はいまさら言うまでもないが,すべての学校で運用・管理することは,予算的にも管理者の負担面から考えても事実上不可能である。そのため,町内の7つの小中学校を1つの”ネットワーク校区”として考え,このなかで共用インターネット・サーバを1台設置し,町内で2名の教師(菰野高校浦田教諭と筆者)が管理者としてroot権限をもち,運用・管理をすることとした。

 また,ネットワーク・ケーブル(10BASE-T)作成と校内LAN構築に関する学習会をおこなった。それと平行して校内のコンピュータすべてがケーブルTV回線が使用してインターネットに接続する事も考慮して,イントラネット・サーバを構築した。このサーバのOSには当初PC-UNIX系のFreeBSD2.2.7で運用していたが,将来的に各学校で管理する際のことを考えて,誰でもが簡単に操作できることが重要になるので,サーバをWebブラウザから設定・操作するためのGUIサーバ管理ツール「HDE Linux Controller 1.0」(注)がプリインストールされたTurboLinux Server 日本語版6.0 SOHO Editionに変更した。

 インターネット・サーバについては菰野町の小・中学校共通サーバとしてフレキシブルに利用でき,各学校の教育計画の中で必要に応じてWEBページを公開したり,生徒用アカウントを必要数だけ発行することが可能となり,遠隔地との交流学習や学校外からの評価活動を実施することができ,高い教育効果をあげることが確認できた。

 

 (注)「HDE Linux Controller 1.0」は,インターネットサーバの管理をより身近なものとすることを目的に開発され,WebサーバーであるApache上で動作し,LinuxサーバをWeb ブラウザから設定・操作するためのGUIサーバ管理ツール。