ホームページを利用した交流 

大内町立大川中学校

 

 現在,本校では専用線(128kbps)でインターネット接続をしている。これまでに校内LAN及びインターネットサーバを構築し,インターネットを中心とした学習活動も行っている。これらの環境を活かし,生徒たちが情報を受動的に活用するだけでなく,自ら発信することで情報の意義を見いだすことが出来ると考える。そこで生徒たちにとって関心の高い事柄について,ホームページ上に電子掲示板やアンケートを作成・掲載し,広く回答を求め,発表する。このことは来年度から始まる総合的な学習時間にも関連していると考える。

 インターネットを使って学校間交流する場合,一般的には電子メールやテレビ会議システムを用いるが,本企画ではホームページを使用して広範囲に交流をしたいと考えている。

 より効果的にリテラシー学習を行うために本校のコンピュータ環境に応じたB6版のガイドブックを作成して全校生徒・全教員で使用している。

 本校は,校内にインターネットサーバを2台設置している。1台(FreeBSD)はネームサーバを始め電子メールサーバ,Webサーバなどを起動させ,ホームページを公開している。(URLhttp://www.okawa-jhs.oochi.kagawa.jp) 今回,電子掲示板設置にあたり,その内容に生徒の氏名や記述など個人的な情報が含まれるため,2台目(Linux)のインターネットサーバに起動しているWebサーバ上で公開し,アクセス制限を設けた。WebサーバはApacheで起動しているので,アクセス制限を設けたいディレクトリで.htaccessファイルを作成し,htpasswdコマンドでパスワードを設定するだけで,ユーザ名およびパスワードによるユーザ認証を行うアクセス制限が可能になる。そのディレクトリ内でホームページを作成し,CGIを使用した掲示板を設置した。また,CGIを使用したアンケートフォームも設置した。

 本校パソコンクラブではこれまでにワープロ,ペイント,アニメーション,3Dグラフィック等の各種アプリケーションソフトの基本操作やホームページの作成を活動として行ってきた。これらの作品は校内で掲示したり,ホームページ上で公開してきた。これらの活動は情報をインタラクティブに扱うという面では効果があまり期待できない。そこで愛知県安城市立篠目中学校とホームページ上の図1のような電子掲示板を使い,意見交換など交流することで他の学校(地域)を身近に感じ,イメージを膨らますことができる。また,写真などを添付した電子メールを交換する。このような交流の方法には,直接電子メールをやり取りする方法が一般的であるが,電子掲示板を使用するのは以下の点で,電子メールより有効だと考える。

 CGIを使った掲示板やアンケートフォーム等は電子メール同様にインターネットのホームページではごく一般的に用いられている。そこでは不特定多数の使用を目的とし,活用されているが,その反面,いたずらや中傷的な書き込みも少なくない。また,学校では生徒のプライバシーを保護しなければならないし,公開ホームページに生徒の個人的な情報が流れてはいけない。なお,ここで使用したCGIプログラムはインターネットのWebで公開されているフリーウェアを利用し,作成した。

 電子掲示板の利用生徒が旅行記を作成する際の情報を得るために,2か所の海外日本人学校(ローマ,ロッテルダム)の生徒に,現在の街の様子や人々の服装等について電子掲示板上で質問ができるようにする。電子掲示板上に書き込まれた情報を使って旅行記の作成をおこなった。

 今回の調べ学習では,2か国の海外日本人学校に協力をいただいたが,生徒たちのほとんどが,自分たちの質問に対して詳しく丁寧に答えてもらえたことに対してよかったという感想をもっていた。さらに,千年紀を迎えるローマの様子や,ロッテルダムの環境に配慮した設備の写真等を見て,生徒の地域に関する関心や意識が高まった。