総合的な学習へのステップアップ

土庄町立豊島中学校

 

 豊島中学校では,インターネットを利用し,情報を検索したり,発信したりできるような環境を整え,本校の特色のある教育課程や生徒の日頃の学習活動をホームページによって随時発信している。

 また,このホームページを足がかりに海外の中学校と交流し,コミニュケーション能力を育成したいと考え,昨年度の2 学期よりTimbercrest Junior High Schoolとの交流を電子メールを通して行ってきた。しかし,英語の文章だけによるやりとりでは,語学力の大きな差があるため,相手のニーズに応えることができず,交流が滞りがちになってしまった。

 そこで本年度は,発想を転換し,電子メールでの返事を求めるのではなく,自分たちの英語の勉強として,相手に自分たちの学習成果を紹介しようという観点で豊島中学校の紹介ビデオと手作りのうちわを制作することにした。 

 豊島中学校では,クラブ活動の時間に「環境」,「福祉」,「進路」,「国際理解」の4テーマを設定し,全校生徒がこのテーマの中から1つを選択し,異学年交流による総合的な学習を展開している。

 本年度,国際理解コースを選択したのは,3年生5名,2年生3名,1年生2名の計10名で,活動内容を相談した結果,Timbercrest Junior High Schoolとの交流が滞りがちになっているので,豊島中学校の紹介ビデオを制作し,豊島中学校をもっと相手に知ってもらおうということになった。

 自分の学校紹介ビデオを生徒たちの手で制作するということは,学校の良さを再確認し,母校に誇りをもつことができると考えた。また,ALTの指導による英語でのナレーション作りは,英会話の力が上達するし,コンピュータを使っての曲作りやビデオ編集をすることにより,情報活用能力が身につくと考えた。

 ビデオ映像の場面【資料2】に合わせて,まず日本語で文章を作り,それを英語に翻訳した。

 作成した翻訳文の添削指導を担当教師から受け,その後それぞれが練習し,個別にALTから発音指導を受けた。そして,最終的にビデオを見ながら英語でナレーションをカセットテープに録音した。生徒6人がそれぞれのカットを分担して,この作業を行った。

 MIDIキーボードで校歌のメロディをコンピュータに入力し,YAMAHAの作曲ソフト(らくらく作曲名人)を使って編集した。

 交流先の中学校と電子メールの交換をしていくうちに,英語力の大きな差を感じ,英語の文章だけによるコミュニケーションでは長続きしなくなってきた。そこで作品の製作を通して想いを届けようと考え,地元(香川)の伝統工芸である『うちわ』の製作を取り入れた。表面はコンピュータを使ってデザイン化し,裏面には英語によるメッセージを書き込むようにした。