へき地校の総合的な学習を支えるインターネットの活用

椎葉村立椎葉中学校 

 

 インターネットは今やへき地校にとっては,なくてはならない存在になりつつある。へき地としてのへき遠性の解消としても情報収集ならびに情報発信において大きな教育効果をあげつつある。今後のへき地でのインターネットの活用が,生徒の学びへ真に有効なのかどうか,地域への貢献は,など今後の可能性を探り検証していく。

 生徒が「生きる力」を育んでいくための総合的な学習においては,椎葉村の様々な環境のなかで,生徒が自らの興味・関心に基づいて,主体的に世代をこえた交流や,多様な生活体験,社会体験,文化体験,自然体験を豊富に積み重ねながら学ぶことがきわめて重要である。ここ椎葉にはその地域的素地は十分に備わっている。さらにその活動を力強く支えてくれるであろうインターネット利用環境も徐々に整備されている現状で,教科学習はもとより,選択教科,総合的な学習の時間にいたるまでその可能性はこれから大いに開拓の余地が残されている。

 そこでプロジェクトを推進するために,推進委員会を設置し学校はもとより地域から教育委員会をはじめ,椎葉村民俗芸能博物館,椎葉の産業を支える椎葉村商工会,さらに大学関係者と融合を図りながら推進し新しい学校づくりに生かしていくことができる。

 生徒は,このような恵まれた自然環境の中で,地域の人々の温かい人情に支えられて,素朴で素直に育っている。また椎葉村伝統行事の「平家祭り」や「神楽」,「焼き畑」などと多様なかかわりをもち,地域のよさを感じながら生活しており,地域で生きる力と情に満ちた生徒が育ちつつある。その一方で,じっくり考えたり,自らの意志で行動したりする機会が少なく,一人一人の生徒の主体的な判断力や行動力は十分とは言えない。したがって,さらに多様な体験を通して生きてはたらく学力を身につける機会を用意する必要がある。

 教師の支援 − 資料収集,情報発信,地域の人材との連携,TTによる情報交換及び指導保護者向け新教育課程づくりアンケート調査(19997月実施済)

 椎葉中学校(へき地校)は,山間へき地にあり情報に恵まれた環境ではなかったがインターネット環境も整い,情報の送受信が盛んに行われるようになった。これには村教育委員会がプロバイダー契約を一括しているのも特徴である。インターネットも含めたこれからの教育にはさらに密接な地域とのかかわりが必要である。