新教育課程における情報教育に向けて

茨城県立岩井高等学校

 

岩井高校は,1学年8クラスで生徒の進路希望が多様であるために,2年次より主に就職希望の1類型4クラスと主に進学希望の4クラスに分けている。情報関連の授業としては,1類型では3年次に商業の科目として「情報処理」を履修するが,それ以外にはコンピュータに関連した授業はなかった。それ以外の授業でコンピュータを利用するときにはコンピュータの操作や使用するソフトウェアの指導が必要であった。一方,平成7年に100校プロジェクトによってインターネット利用環境が整ったのを機会に,せっかくの設備を高校生活の中で有効に活用してもらうために,入学当初に数時間のパソコンとインターネット利用のガイダンスを行うようになった。しかし,数時間のガイダンスだけでは定着せずに,授業でパソコンやインターネットを利用するときにはやはりもう一度指導が必要であった。そこで,高校生活3年間の中でパソコンやインターネットを活用できるようなスキルの育成をするために,通年で行う授業を1年次に設置できないかと考えた。幸い,100校プロジェクトからの主担当と副担当は理科の教師であったので,1年次に履修する化学TB(4単位)のうち1単位をそのような指導に充てるようにし,コンピュータに関する授業なので化学Cと命名した。この化学Cの目的は,1つには学校のパソコンとインターネットの環境を学習活動や進路選択に生かしてもらえればということであり,もう1つは平成15年度から実施される新教育課程の教科「情報」に向けての実践的な研究を行うことであった。本校では教科「情報」において「情報A」の履修を予定しており,「情報A」においては,授業時数の50%は実習に充てるとしていることから好都合であった。つまり,化学Cでは,「情報A」の実習に向けての実践研究と生徒達のパソコンとインターネットの活用能力を高めることを目指す。

化学Cでは,次のような内容を行うこととした。その時に,週1時間という制約があるので,各時間で1つの内容が完結するような授業展開とした。

(1)   パソコンの基本操作,Windowsの操作等

(2)   キーボード・タイピング

(3)   日本語変換の方法

(4)   インターネットブラウザの操作法

(5)   電子メールの設定

(6)   電子メールの送受信

(7)   WWWによる情報検索

(8)   HTMLによるホームページ作成講座

1)基本構造,2)見出し文字,水平線,3)リンク,4)リスト(箇条書き),5)フォント装飾,6)FTPによるファイル転送,7)練習問題,8)BODY TAG 画像の貼り付け,9)練習問題2 ,10)画像とテキストの配置, リンクボタン 他,11)表 TABLE タグ,12)インデックスを作ろう,13)自分のホームページを作ろう

前半は,パソコンの基本操作とインターネットの基本的な利用方法を指導し,その中で情報倫理にも触れている。また,後半はHTMLによるホームページ作成を1時間1ステップずつの授業展開で,行えるようにWeb上で課題及びその解決方法を提供し,教師が一応説明はするものの,進度が速い生徒には自分で先に進めるように,また,放課後残って課題をこなせるように配慮した。また,それぞれの課題をまとめるインデックスを作成し,それぞれの生徒の進度がお互いに確認できるように学校内内部で公開をしている。また,最終的には,各自のホームページを作成し,校内に公開をし,学校外にも公開したい生徒には,内容確認の上外部からもアクセスできるようにした。

以上のような取り組みが,生徒達の情報活用能力を向上させ,他教科でのパソコンやインターネットの利用が円滑に進むことが期待される。