ノートパソコンで,いつでもどこでもインターネット

生田東高等学校 

 

 普通教科の授業で,普通教室・図書室等にノートパソコンを持ち込み校内ネットワーク網からインターネットに接続して活用し,学習効果の向上をはかる。

 コンピュータ教室での普通教科のコンピュータ利用は,本校が「その他科目」で情報科目を設置していることもあり,コンピュータ教室の稼働率は70%を超えており,他教科の授業で利用できる状態にない。この状態は,今後他校でも新カリキュラムにより情報科の必修が始まるとコンピュータ教室の稼働率が上昇し改善される見込みはない。その対策として中古ノートパソコンを普通教室に持ち込んだ時の操作性を検証する。

 「総合的な学習」が実施されると,普通教科でのインターネット活用は不可欠となり,その有効性と問題点をを確認する必要がある。

 教育用のインターネット検索には,最新のコンピュータは必要がなく5年前の性能のコンピュータもので十分であることが本校のコンピュータ実践で確認されている。近年のコンピュータの低価格化と中古市場が形成されたことから,ノートパソコンを中古市場で必要台数調達することが可能になったが,その性能と限界を検証する。

 普通教室に設置された10BASETのネットワーク端末にHUBを経由して10台のノートパソコンを接続し,インターネット検索を実施したとき実用的な検索スピードが実現できるかを検証する。

 インターネット検索利用には3台のルーターを経由してインターネットプロバイダにダイヤルアップ接続で使用,1台のルータ(64Kbps)にコンピュータ3〜4台を接続する環境にして,タイムアウトが生じないように工夫した。

 YAHOOINFOSEEKなど検索ページごとに得意分野など特徴があり,その検索結果に違いが出ることを共通テーマを与えて検索を行い理解させる。さらに,絞込み検索・別な視点からのキーワード設定をアドバイスする。

ロボット型(INFOSEEK)とディレクトリ型(YAHOO)の検索サイトで,「修学旅行」という同じキーワードを入力し検索結果の件数に大きな差があることを認識させ,特徴を理解させる。

 その他の実践として,本校は新聞委員会の取材・制作活動にインターネットとノートパソコン(モバイルコンピュータ)を導入し,速報性・制作スピードの向上を図った。本校はNIE実践校として活動しており,年56回の「生田東新聞」(A4判20ページ)を発行。また,校内のニュースを速報の形で「東陵タイムリー」(B42ページ,年10〜20回)を作成・発行している。取材から編集までを生徒の手でおこない,パソコンで原稿の入力とデジタルカメラで写真の撮影,PAGEMAKER(DTPソフト)で割り付けを行い,発行している。しかし,コンピュータの台数制限により同時作成が不可能などの問題があった。 今回のノートパソコンの導入により,速報性の問題が解決した。11月に本校が出場した駅伝大会の取材記事と写真を丹沢山地の会場よりインターネットの電子メール経由で生田東高校まで送り,翌日の朝には全校生徒に号外の形で新聞を発行することに成功した。さらに10台のノートパソコンをネットワーク網に接続されたことで仕事の能率は飛躍的に高まり,新聞データベースへのインターネットアクセスでの資料検索を有効に使い,40ページの学校新聞を作成することができた。この新聞は,初出場の全国新聞コンクールで4位の好成績をおさめた。