産業用ロボットアーム遠隔操作
山梨県立甲府工業高等学校
本課題研究では,ものづくりとネットワークを結び付けた教育テーマの模索を行い,生徒の興味・関心を維持しながら,マルチメディアネットワークを活用して,関連した専門知識やロボットメーカとの技術交流を通して,先進技術を習得できるネットワーク教育例の提案を目的とする。
平成11年度,光ファイバー網を活用して,実際の工場で稼動しているスタンドアロンの産業用ロボットアームを遠隔操作することをテーマに取り組んだ。
1.対象:工業高校電子科3年6名。工業科目「課題研究」1週連続2時間1年間実施。
2.学習展開:
(1) コンピュータネットワークリテラシーの分野(4月-5月)
OS,インターネットのサービス,Webページ作成,RealPlayer等で画像送受信,WWWサーバ等数多くのインターネットの先進的機能を習得。
(2) Javaアプレット作成の分野(6月-9月)
Web上のオンラインテキスト活用し,Visual J++開発手順,グラフィックス,イベント処理等のJavaアプレットプログラムを作成した。ブラウザやネットワークコマンド等が作成できたことは好ましい。
(3)光ファイバー網を活用した産業用ロボットアーム遠隔操作の分野(10月-2月)
アプレット作成を経て,光ファイバー網を活用した産業用ロボットアーム遠隔操作のシステムの構築を行った。これはWebページにロボットアーム操作の画面を割り付けて,甲府工業高校5F電子情報技術2室のパソコンから,約25km離れた甲西町メドマン社の工場内に設置されている産業用ロボットアームをPHSでインターネット接続して,遠隔操作するシステム。まとめとして,プログラミングコンテストや課題研究発表会で発表。以下が遠隔操作の学習内容。
1)産業用ロボットアーム遠隔操作概要
2)産業用ロボットアーム([1]概要[2]シミュレーション[3]ネイティブコード[4]コマンド化)
3)SSIとCGI([1]概要[2]SSIとロボットアームのコマンド接続)
4)WWWサーバ([1]AN HTTPD概要[2]インストール[3]構築運用)
5)コマンドアプレット([1]Javaアプレットの能力[2]アプレットとSSIの接続)
6)産業ロボットアーム遠隔操作実験([1]動画送受信[2]ブラウザ[3]X軸稼動[4]Y軸[5]Z軸)
3.主な利用環境:
(1) ハードウェア
・産業用ロボット「MX-150可搬重量980N 本体質量14700N 機高2185o 機幅960o」(1) Medoman
・産業用ロボットアームコントローラ「RC-24」(1) Medoman
・産業用ロボットアームサーバ「VAIO PCG-C1XE 64MB 8.1GB 266MHz PU」(1) SONY
・産業用ロボットアーム接続用PHS LANカード「MC-6550 PIAFS 64/32Kbps」(1) SII
・産業用ロボットアーム接続用PHS 「PHS-J80」(1) SANYO
・産業用ロボットアーム接続用変換ケーブル「RS-232C/USB」(1) I・O DATA
・産業用ロボットアームシミュレータ Medoman等。
(2) ソフトウェア
・ロボットシミュレーションCG (6) 篠原紀
・Java作成 「Visual J++ 1.0」 (10),「Visual J++ 1.1」(10) Microsoft
・ロボットコマンドアプレット (1) 森谷洋介
・ロボットコマンド作成 「Visual C++ 6.0」(10),「Visual Basic 6.0」(10) Microsoft
・ロボットコマンド (6) 藤江良至
・遠隔操作用ブラウザ 「Internet Explorer 4.0」(10),「Internet Explorer 5.0」(1) Microsoft
・遠隔操作用Webブラウザ (1) 小泉洋平
・WWWサーバ 「PeerWebServices」(10),「パーソナルwebサーバ」(10) Microsoft
・遠隔操作用WWWサーバ 「OmniHTTPdv2.0α6使用期限」(1) Omnicron Technologies Corporation
・遠隔操作用WWWサーバ 「AN HTTPD1.24」(1) 中田昭雄
・動画送信用ソフト 「RealBasicSaver」(1) ,「RealProducer」(1) RealNetworks
・動画受信ソフト 「RealPlayerG2」(10) RealNetworks
・メーリングリスト「fml」(1) 深町賢一等。
4.成果:
・PHSでネットワークにアクセスして,産業用ロボットアームの遠隔操作システムを構築
・アプレット,WWWサーバ,ビデオサーバ等のインターネットの先進機能を習得
・フリーソフトウェアの活用により,安価なシステム構築が可能
・ローカルファイルの資産を生かせるWebシステムが構築
・電子メール,Webページ,メーリングリスト,TV会議のツールでメーカの先進技術を習得