地域情報ネットワークエリア拡大

岐阜県立海津北高等学校

 

 本校は100校及び新100校プロジェクトの4年間,インターネットを取り入れた授業展開がなされてきた。平成10年度には,県の情報化に関する研究指定校として3年間の成果発表会も開催され,一層の情報機器の活用がなされつつある。その中で,次に本校が成さねばならない課題は,情報化の波を地域へ広め,本校が情報の起点となし得ることではないかと考えた。そこで,インターネット等からの情報収集をはじめ,PTA,保護者,地元企業,自治体の協力も得ながら,学校から家庭へ地域へ情報化が広がることを目的としてテーマを設定した。

 本校は専門高校であり,家政科,経理家庭科,情報処理科の3学科が設置されている。家政科では,環境問題について数年間,取り組みが成されている。このことは,世界中でさかんに討論がなされ取り組まれているが,オゾン層の破壊,酸性雨,森林破壊,地球温暖化,ゴミ問題(産業廃棄物)など数多くの解決困難な問題が山積みされている。そこで,一人一人の人間が実際にどのように身近な生活環境の中において行動に移していけばよいのか,その情報収集力から判断力,行動力を身につけさせていくことが求められる。また,この取り組みをきっかけに学校から家庭へ地域へエコライフが広がることも願っている。

 問題点を解決するための研究活動・実践活動として家庭クラブ,生徒会が中心となり,各クラスにおいて討論,また全校討論会(海北フォーラム)への準備として,アンケート作りに努めた。特に家庭クラブは平成3年度から「環境問題」や「私の家のゴミ問題」を取り上げ,役員を中心に全校生徒及び保護者の協力を得て進めてきた。内容は牛乳パック再利用などのリサイクル活動である。アンケートの準備として環境庁のホームページなどを参考にした。

 平成3年度と平成10年度とのアンケート比較(生徒・保護者)によると「ゴミの中で,これはまだ使えそうだと思うことがあるか」の問いに対して平成3年度では,「時々」「ある」を併せて約半数のに対し,平成10年度では8割以上占めており,意識改革ができつつあると思われる。主な活動内容は以下のとおりである。

・ゴミ問題(特にリサイクル)についてアンケートや資料を基に,クラスで討論し,生徒議会へ意見を集め全校討論会へと展開させていった。

・米のとぎ汁や麺のゆで汁,洗濯排水はCODの値が特に高く有機物が多く,合成洗剤使用時における洗濯排水にはCOD,亜硝酸窒素量が多いことを学ぶ。

・PTA総会・文化祭・地元広報誌・町及び本校ホームページ・保育園及び独居老人宅訪問,校外討論会の参加などから地域や家庭へPR活動を行った。

 個々に具体的な実践を行っていくことはなかなか難しく,これを,生徒自身の今後の課題として実践させていくとともに,生徒自身にとどまらず,家庭,地域へ問題提起を行い,地域と一体となり進めていくことが大切であることに目を向けさせたい。

 今回の事業から,生徒は人やコンピュータなどから情報をどのように収集したらよいか,収集したものを基に,どのように行動に移すかを体験的学習から学び,ある生徒は,自分自身で考え,ある生徒は周りの人に聞いたり,ある生徒はインターネットを使って調査したりする行動が見られ,今まであまり目を向けなかったことに対し,取り組んでいこうとする意欲が向上したと思われる。