ネットで結ぶ世界の高校生

名古屋市立緑高等学校

  

 テーマプロジェクトでは,同年代の生徒たちと同一テーマについてのレポートを交換す る。そのなかで,自分たちの環境,文化,モラルなどを相手国に紹介することによって,日本を客観的に外から眺める視点を作り,自分たちの置かれている環境について,世界的に見た常識で測る視野を持たせることができる。また,とかく違いだけを追求しがちである異文化理解であるが,同年代の友人との情報交換であるがゆえに,違いだけでなく,共通点をも発見することができる。

 また,この企画を通じて,コンピュータにふれることのあまりなかった本校生徒が, コンピュータをコミュニケーションツールの一つとしてとらえ,ネット上にいる相手を思いながらパソコン操作の難しさを乗り越えていくことができる。

 クラス規模の交流ともなると,指導者の間で,お互いの学校のパソコンやインターネット接続状況や,生徒の様子を十分把握し合った上で行うことが必要となる。幸い,本校教員,生徒がこの夏に韓国,オーストラリアを訪問する機会があったので,その機会を利用して打ち合わせを行うことができた。また,半年ほど前に本校を訪問したドイツの教員とも電子メールで連絡を密にし,企画を進めることができた。

 夏には,本校教員と生徒がシドニー市セントアイヴス高校を訪問。先方の交流クラスを確認し,パソコン設備の見学を行い担当教諭,Khush Patel 先生と今後の計画について打ち合わせた。また,時を同じくして開かれていたアジア高校生カンファレンス(730日)の会場とKDDの協力を得てテレビ会議で交流した。

 秋には,セントアイヴス高校の教員と生徒が本校に2週間体験入学し滞在し,体験入学 を通して交流を深めた。この間,電子メール,デジタルカメラを利用して,シドニーへこちらでの滞在の様子を報告した。今も滞在した生徒と本校生徒の間で電子メールの交換が行われている。

 本校教員と生徒がアジア高校生交流行事(アジア高校生インターネット国際交流プログラム 1999 in ソウル)のメンバーとして韓国九老女子情報産業高等学校を訪問した。 滞在中に,市内を探索し,その報告を共同プロジェクトとしてホームページを作成し,日本へも送った。また,先方の生徒数名との交流の中で今後の交流計画を提案した。

 4月に本校を訪問し,今後のインターネットを利用したプロジェクトについて相談したカレン・トムソン先生(職業高校Berufliche Schulen des Kreises Schleswig-Flensburg と,夏以後,電子メールにより今後の交流について打診。交流内容についての相談をした。

 ドイツのBerufliche Schulen des Kreises Schleswig-Flensburg高校とオーストラリア のセントアイヴス高校の高校生,イタリアのローマ在住の中学生と高校生,カナダの日本人留学生,名古屋在住のインド留学生へ,生徒がそれぞれメールを出し,個人間でのメール交換を11月に始めた。また,ドイツとは,デジタルカメラを使って,画像の交換も行った。開始後しばらくは,送信の誤操作などを把握するために,それぞれの担当教員宛にもCCすることを約束とした。