電子メールを利用した海外の学校との交流に基づく比較文化

三重県立四日市西高等学校

 

 本校比較文化コースの独自カリキュラムに基づく「比較文化」の授業では,生徒が独自に設定したテーマに沿って本や新聞などから情報を集め,自分なりの考察をまとめたレポートを毎学期提出させている。これまでは,情報の収集・検索を専ら図書館で行ってきたが,インターネットが普及した昨今,これを活用できることは現代人には不可欠になりつつある。また,インターネットからは最新で,かつ音声や映像を含むより詳細な情報が手軽に得られるという利点もある。さらに,電子メールを使って海外の高校生と交流することで,既製ではない自分で直接得た情報を基に考察することも可能になる。

 以上の点から,インターネットを利用することによって生徒に現代の社会生活に必要な情報リテラシーを身につけさせ,また,自ら発見し考える力を養うことが,今回の授業の意図するところである。

韓国新亭女子商業高等学校との学校間交流に基づく「比較文化」

 本校は普通科各学年9クラスの中に1クラス「比較文化歴史コース」のクラスを設け,「比較文化」,「日本の文化」,「数学史」など独自の科目を取り入れたカリキュラムを実施している。特に身近なアジア諸国とのつながりを重視し,2学年の夏には韓国への研修旅行を実施。事前に朝鮮半島と日本の関係の歴史や韓国語の授業もあり,韓国との関わりが多い。しかし,生徒の中には「なぜ韓国なのか?」など今一つ韓国へ行き,韓国について学ぶ意味が見出せないでいる一面も見られた。また,昨年度「比較文化」の授業を担当して,生徒が自分たちにとってもっと身近な事(同世代の若者の持つ意識や価値観,またその生活や文化)などに高い興味を持っていることや,図書館を利用した調べ学習を行う中で,生徒に自分で発見し,自分の考えや意見をまとめる力が不足していることに気づいた。こうした点を少しでも改善できないかと考え,今回の授業を計画した。

情報を収集・検索する際に,本や新聞を活用する従来の方法に加え,電子メール等を利用して直接情報を得たりインターネットで検索する方法も有効であることを実感させると同時に,コンピュータ社会に適応するための基礎力を身につけさせることに役立つ。