海外修学旅行支援プログラム

神戸市立摩耶兵庫高等学校

 

 近年,海外修学旅行実施において,海外との学校間交流の事前・事後指導をスムースに運営するにはインターネットが必要となってきている。ツールとしては,Web・メーリングリスト・TV会議システム等が考えられる。ホームページ上で情報を公開するのは,今や当然の常識ともなってきているが,なかでも,メーリングリストは「教師用」・「生徒用」・「教師と生徒の合同用」の3種類あれば便利ではあるが,「教師と生徒の合同用」だけでも利用価値が高い。また,TV会議システムはMboneCU-SeeMeRealProducerなど,多種多彩であり,双方のスキルに応じたシステムを使えば,より豊富な内容になるのは間違いない。

 今後,海外修学旅行が定着するであろうが,現在,公立高校のみならず私立高校においても海外修学旅行実施の検討さえなされていない学校も,まだ少なくない。修学旅行の現状と将来,そして,海外修学旅行を実施するに際し,どのような手続きが必要となるかを,インターネットを使った本校の経過をふまえ,その事例と展望を述べたい。

 日本修学旅行協会がまとめた平成10年度(1998)公立学校修学旅行実施基準に関する調査結果によると,海外修学旅行を認める教育委員会は平成9年度に較べて2県2市増え,1道1府36県6市の計44となり,全体の75%に達したとある。

 2番目は,いかにしてLoara高校との学校間交流を行うかであった。事前に,Loara高校のScott先生とE-mailの交流はしていたものの,インターネット交流だけでは如何ともし難い部分も多くあり,学年の先生6人で下見に行った。そのとき思ったことであるが,インターネットでの事前打ち合わせと下見確認はともに大切な要素であると。

 1学年を組織した平成9年度入学式前後の学打ちで,「生徒が希望すれば海外への修学旅行をも視野に入れて検討する」ということを学年団で確認した時点では,もちろん,生徒,保護者,職員間,教育委員会にたいしてはすべてが白紙状態であった。その後,アンケート,保護者会を重ね,ロサンゼルス・アナハイムへの実施計画も3年生となり,いよいよ大詰めの段階になったが,その当時,神戸市教育委員会は海外修学旅行を不許可としていた。しかし,喜ばしいことに平成11年9月,とうとう念願であった海外修学旅行も正式に許可が下りた。

 主題の「海外修学旅行支援プログラム」と,副題の「企画立案の発端・経過から現在に至る現状報告と将来の展望」の内容に沿って報告させていただいたが,修学旅行の主流が海外へとなるは現状から見ても間違いのないことであり,そのためにも今後,如何にして各校がどのような企画を立案し,どのように遂行していくかが大切となる。