音楽を楽しもう!

横浜市立盲学校

 

 3Fの音楽室にも,9月末からPCが4台導入された。一般に,視覚障害者は健常者に比べて,その80%の情報を得られていないとういうが,聴覚や音楽的才能はすばらしいものを持ち合わせている生徒や児童が多い。

 まず,最初に点字楽譜を生徒に作成してもらい,それを通常の健常者が読める楽譜に直すソフトウェアを探した。

 フリーソフトウェア「フーガ」は視覚障害者用によく紹介されているソフトウェアで視覚障害者が独力で一般楽譜を作成することを可能にするパソコンソフトである。 機器構成として必要なものは旧NECのパソコンとプリンタのみである。 楽譜というものは,もともと極めて複雑で多様性に富んでいるうえ,一般楽譜を描くために必要な情報のすべてが点字楽譜の情報に含まれているとは限らない。従って,パソコンによって点字楽譜を一般楽譜に自動的に変換することには多くの困難がある。

 通常点字楽譜は,ワープロ等の画面でカナ文字等を使用し作成するが,一般に全生徒に点字楽譜を操作させるのは難しいものがあった。したがって,一部の音楽部の生徒に作成させた。

 音楽キーボードをインターフェイスに使った音楽データの取り込み

 音楽キーボードは,健常者や視覚障害者に関わらず,音楽に興味のあるものにとって共通のインターフェイスである。また市販のソフトウェアの中には楽譜作成も容易にできるものも多くなってきている。普通科高等部の授業の中で音楽キーボードを使って自分の作曲した,音楽データを取り込んだ。弱視生徒の場合は,Windows標準の拡大鏡やズームテキスト等のなど市販の画面拡大ソフトウェアの組み合わせでソフトウェアの操作が可能になる。全盲者の場合は,補助者が必要となる。

 また,紙面の中には個人情報もあるので公開しないが,学校内のイントラネット上では,生徒作曲のMIDI曲,音楽発表場面での動画等が公開されている。またこれらを編集の上,希望の生徒に家庭でも楽しめるように,CD配布の準備をしている。