能登教育ネットワークの充実と知的障害児学校

石川県立七尾養護学校 

 

 能登教育ネットワーク研究会は,能登の学校の教員による,ネットワークを使った教育の研究会である。平成1010月,七尾市・鹿島郡の学校教育現場でネットワーク接続している学校の教員の自主研究会として発足した。NTT西日本七尾支店(当時 NTT七尾)がこれに協力,支援をおこなった。石川県の学校ネットワーク環境は,「石川県スクールネット」のスタートなどにより今後,飛躍的に増えることが予想される。NEPTUNEは,このような状況に先駆けて,能登の教育現場ネットワーク化を図るべく,能登全域のネットワーク環境設備と促進をになった準備段階(Digital School Network)をスタートすることになった。

 七尾養護学校は,メディアキッズやチャレンジキッズなどの広域の学校間交流にネットワークを通して参加している。広域の教育ネットワークの実践・成果をもとに,能登地区唯一の養護学校として,地域の障害児学級設置校と連携し,自作教材の紹介その他ネットワークを活用した他校との連携や情報交換を踏まえて,よりバリアレスな教育ネットワークのあり方を実践研究していきたいと考えた。

 NEPTUNE は,地域の情報に焦点を合わせ,教師間,児童生徒間の交流の場と学校の情報関係の場を生かす役割を担っている。実際にメーリングリストに参加する教師は,20名を超え,学校単位でいうと,県立高校6校,中学校3校,小学校2校,特殊教育学校1校,短期大学1校となる。このネットワークでは,全員のネットワークに関する技術・方法等の質的向上を求め,各校の他教員に対するサービス,コンセンサスづくり,講座や学習会を定期的におこなってきた。H101225日マルチメディア研修会(七尾短期大学 コンピュータルーム),H117〜8月 情報処理合同研修会(七尾短期大学・七尾高校 コンピュータルーム)等が実施された。

 七尾短期大学をネットワークの基幹として,NEPUTUNE参加校の中で,七尾市徳田地区に位置する七尾市立徳田小学校・七尾市立朝日中学校・石川県立七尾農業高校,そして石川県立七尾養護学校を中心に本企画を進めた。徳田小学校や朝日中学校は,七尾養護学校の中学部や小学部と授業交流をおこなっている。また七尾農業高校は,七尾養護学校にとって,最も近い学校であり,学校祭などの交流の他,敷地の畑やハウスは,本校の児童・生徒にとって散策など親しみの深い存在である。異校種間の交流や共同学習におけるネットワーク活用について,各校の現状から意見を出し合った。また,日常的なそれぞれの学校のニーズから関わることのできる接点を探していくことにした。

・メディアキッズやチャレンジキッズで話し合われた内容や,方針などをNEPTUNEで報告し,広域・全国的な学校間ネットワークと能登教育ネットワークの有機的な融合をバランスよく進めていく。

 チャレンジキッズでは,高等部作業学習の印刷班で印刷をおこなっている参加校の生徒や教師が子どもたちのネットワークを使った共同作業のための会議室「チャレンジプリント」で担当工程や作業学習の内容を情報交換することでネットワーク上での共同学習を進めている。今年度,中学部の紙工班で,環境保全に役立つ植物「ケナフ」を使った紙づくりについて取り組むことを計画した。

 また,隣の羽咋市では耕作放棄田の景観アップや温暖化防止等を考え,ケナフの植栽を試行した。公民館や小中学校へ種や苗を配布し収穫後の活用策を探る方針を検討していると聞く。徳田地区の学校の相互協力とネットワークの活性化によっていろいろなことが実現可能となる。たとえば耕地提供やバイオ増殖,肥料や栽培ノウハウを農業高校に。ケナフの活用実践を養護学校に。そして,自然環境の保護に関する実践を共同学習していくリーダーとして小中学校の役割を地域の学校で協力し合いながら学校ネットワークを教育活用していけるように計画実践していきたい。これらをひとつの柱として異校種間の交流を充実させながらNEPTUNEの活動をより実りあるものにしていきたいと思う。