マルチメディア発表会

和歌山大学教育学部附属養護学校 

 

 新指導要領でも導入される選択教科による「情報」においてもコンピュータの操作を覚えるための授業で終えることなく,生徒の意欲を高めるために,様々な視聴覚機器(ビデオ,デジタルカメラ,録音機等)とパソコンを利用して教師と共にマルチメディア作品を作り,授業で発表したり,ホームページ上で公開することによって自己表現の喜びを学ぶことが大切である。

 平成8年度に情報インフラの整備,平成9年には校内LANの整備が行われ,「生活」「音楽」「美術」等の授業でブラウザー,エデュメントソフト,ペイントソフト等によるコンピュータを利用した学習,「作業学習」におけるデジタル印刷システム活用,他校とのインターネットやTV会議を利用した交流を行ってきた。

 本校中学部では20年に渡って美里町美里中学校と交流を重ねてきており,平成8年よりネットワークを利用した交流を行っている。平成10年度の事前交流では,お互いにホームページにより自己紹介,交流前日にTV会議による交流を行った。ホームページ交流では,名前,趣味や当日の抱負をワープロ,手書き,先生に話す等で表現し,教師がHTML化し,リアルビデオを利用し,動画による自己紹介を試みた。

 平成11年度本校高等部「言語経済生活」の授業では,新指導要領で導入される養護学校高等部における選択教科「情報科」を視野に入れて,高等部生徒が卒業後の社会生活を送っていく上で必要な言語・経済・情報の力を身につける学習を計画している。

 学校紹介のホームページを作成することにより様々な視聴覚機器や作成に必要なソフトの操作を習得し,作成した作品を発表することで自己表現をする力を付ける。

 本単元の到達目標である「学校周辺マップ」を作成していく過程で,インターネットからの情報収集・選択,初めての人に大人としてきちんとした態度がとれたり,質問し答えてもらう,また質問するといった取材を通して,恥ずかしがらず相手とコミュニケーションを持つ力,取材したことをメモし,簡潔にまとめ力,デジタルカメラ等の機器操作する力,絵・写真・文字を見栄えよくデザインする力,それらをホームページとしてまとめ,自己表現・情報発信する力等が,つくる喜びと共に,独立した形ではなく相互的・総合的に身についてほしいと考えている。