オンラインディベート・パッケージの開発
宮城県私立東北学院中学高等学校
実際に参加してオンラインディベートを体験しない限り、企画のメリットは生徒たちに伝わらない。この当たり前のことに、企画側として謙虚に着目する必要がある。「さあ、いらっしゃい」という受け身、もしくは「さあ、この通りにやりなさい」という押し付けの姿勢では、企画が閉鎖的になり、より良い教育実践としての発展が見込めないのではないだろうか? そこで、オンラインディベートをマニュアル化して形式を整えることと、参加者のニーズに応え、より多くの参加が得られるための方法を模索する。
ディベートのすべてのコンテンツをネットワーク上で行なう『オンラインディベート(以下、オンDとする)』は、1997年の開始以来、生徒たちで4回、教員同士で1回の計5回が行なわれ、新しいネットワークコミュニケーションのあり方を提示しつつ、ディベートをより手軽に取り組める企画として発展してきた。今後は、子どもから大人まで、参加者の年齢制限を設けず、対等な立場で議論してもらうことを目標とする。IRC(インターネットリレーチャット)による質疑応答なども試みたい。
立論と反駁の作成を助けるフォーマットを準備することに加えて、作文の量自体も短くし、短時間で終了できるディベートや、また小学生でも参加できるディベートを目指す。
高校生を対象とする。過去に出題された大学入試における小論文の論題について、メールで出題年、大学名、学部・学科名を知らせてもらい、その内容に深く関わるディベートの論題を作成し、オンDを行なう。
オンDパックとは、オンDへの参加者と運営側の作業負担を軽減するために、HTMLとCGI 、 JAVA等で開発された補助的インターフェイスプログラムのパッケージである。
論題と判定意見を幅広く収集するためのフォーマットを公開することによって、企画自体のマンネリ化を打破し、常に質を向上させつつ、新鮮な議論を展開する効果を得る。
参加者の興味・関心をスムーズに反映させることにより、不本意なディベートの対戦を極力避け、参加者のディベートへの参加意欲を保つ効果がある。企画へ参加するのに必要なのは、最低限のネットワーク環境だけである。
・WEBブラウザ(ブラウザの種類の指定はない)
・メールアカウント(メールソフトの種類の指定はない)
・(オープンディベートに参加の場合のみ)IRCソフト
オンDのWEBページは、フレームやスタイルシートに対応していないブラウザを利用しても不都合なく参加できるように、また、特に福島盲学校の参加に支障がないように、アクセシビリティー対応のページを用意するなど、運営側でも注意を払っている。
オンDでは、肯定側・否定側のそれぞれのメンバーでメーリングリストを作り、ディベートの行き詰まりを相談したり、作戦を共有できるようになっている。
・論題募集時に提供してもらう項目(企画運営側が内容を検討してから公表)
・ディベートの論題(小学生向け|中学・高校生向け|大学生・社会人向け|小論文対策(高校))
・その論題はディベート向きか否か?(7段階で評価 4段階が普通)