地域学習教材の作成とその活用

山梨県総合教育センター

 

 コンピュータ・インターネット環境の整備が急速に進む中、教育用コンテンツの開発及び活用を促進する取り組みが急務である。そのような中で本研究では、山梨県内各地域の文化、自然環境に視点を当てたマルチメディアデータの教材、資料集を開発し本センターのホームページ上に公開するとともに、CD-ROMに収録し県内学校すべてに配布することで教育利用の推進を図っている。

 教材の作成及び資料の収集にあたっては県内各地の小中学校を中心とした教員を研究協力員として委嘱して1年間の協力を得ている。また本センターでは、研究協力員の技術研修、学校における活用推進の援助等を行い、研究協力員が教材活用の推進リーダーとして各学校で活用できるように支援している。

 情報の収集とWeb化は、地域情報を各協力校で行う「地域Web教材の開発」と統一したテーマに沿ってセンターを中心に行う「環境教育に視点をおいた地域教材−山梨の河川−の開発」の2種類である。

 「地域Web教材の開発」では子供自身が自分なりに課題を持ち、それを解決する方法を考え、学習計画を立て自主的に学習をし、自ら解決できる力の育成ができるようそれぞれの身近な地域(中巨摩郡)に点在する素材を集め、環境問題・地域産業・自然・史跡の4分野に分けて、調べ学習や総合的な学習の時間に活用にできるようにWeb教材を作成した。

 「環境教育に視点をおいた地域教材−山梨の河川−の開発」では子どもたちに豊かな自然や身近な地域社会の中での様々な体験活動を通して、自然に対する豊かな感受性や環境に対する関心等を培う「環境から学ぶ」ということ、環境や自然と人間とのかかわり、さらには、環境問題と社会経済システムの在り方や生活様式とのかかわりについて理解を深めるなど「環境について学ぶ」ということ、そして環境保全や環境の創造を具体的に実践する態度を身に付けるなど「環境のために学ぶ」という視点にたち開発した。

作業分類としては

 資料回収と資料補充、画像ファイルの作成、修正

 データベースへの追加とデータの確認

 Web作成とデータ確認

 配布仕様の決定とデータ確認

などである。

 課題まとめとしては、開発過程で、昨年度開発したデータベースソフトウェア「KzDb」により、3年間の収集画像データを比較的効率的にWeb化することができた。また、事前にフォルダ構成を決定したことで、複数の開発者によるWeb作成が可能となった。しかし、作成したWeb画面のデザイン面での統一をすることが困難といえる。この点については、インターネット等を利用し、センターのサーバー上での開発とデータ収集を行うことで、解決できると考えられる。