フォームのイメージをつかもう

三木市立教育センター 

 

 体育の授業では,技能習得においてフォームのイメージをつかむことが重要な要素になってくる。従来は,ビデオカメラで撮影し,ビデオデッキで見るということが一般的であったと思われる。これは,確かに有効な方法であるが,生徒が自由に見たいシーンを検索し何回も見る時には,ビデオテープのアナログデータを検索することになり使用しにくい。また,データを指導者がお互いに共有するという観点から考えると,デジタルデータとしてコンピュータに保存し,さらにどの端末からも見る為に,ブラウザから表示できる形にするのが良いのではないかと考えた。ブラウザから表示できる形にするとイントラネットはもとよりインターネットから他校のデータも参照することができ,データの蓄積という点からも広がりがあり有効である。

 そこで,「器械運動」領域での,演技データをQuickTimemov形式とRealVideo形式の2種類で作成し使用することにした。

 動画データの作成と編集

 最初動画データの形式は,デジタルカメラの保存形式であるQuickTimemov形式だけを考えていたが,少し時間の長いデータになるとファイル容量が大きくなりすぎてダウンロードに長時間かかってしまう。そこで,ストリーミングデータとしても作成しダウンロードの時間を気にしなくて使用できるように考えた。ストリーミングデータは,個人や小規模で利用する場合,特別なサーバを必要しなくても運用できるRealVideo形式を使用することにした。

 撮影した動画の編集は,QuickTime4Proを中心に使用した。長い動画のカットも手軽に行うことができた。QuickTimeデータの編集は,あまり記述してある書籍が見つからなかったが,データのカットやコピーは思ったより簡単に作業ができた(1)QuickTime4Proは,QuickTimeに登録キーコードを入力することにより移行できる。パソコン接続キットに付属しているソフトを使用すれば,さらに細かく編集ができる(2)QuickTimeProからは,読み込んだデータは,保存時にAVIフィルへも書き出しができる。

 RealVideoRealAudioのデータ作成方法やhtml上で再生させる場合の記述方法について掲載されている書籍は少ない。今回は,雑誌の掲載記事やWeb上から情報を得ることになった。実際にこれからストリーミングデータを作成される方に参考になるものと考え,データの作成方法を詳しく記述することにする。

 RealProducerG2を使用できるファイル形式は,QuickTimeのファイルやAVIファイルなどである。QuickTimemovファイルの場合,今回の使用したデジタルカメラから作成されるmovファイルそのままでは,ファイル形式が対応していない。そこで,movファイルを一度読み込んで「書き出し」のオプション(4)で圧縮プログラム「シネパック」を選択してmovファイルとして保存するとRealProducerG2で使用できるようになる。または,AVIファイルとして書き出してそれを元データとして使用してもストリーミングデータは作成できる。

 このファイルにvclp01.ramという拡張子を付けて保存する。このファイルをMetaFile(メタファイル)と呼ぶ。次にこのメタファイルにhtml上からリンクを張る。

 とび箱運動の学習を進める場合,自分の力に応じてわざを選び,そのわざのできばえを高めたり,また,新しくできそうなわざに挑戦して楽しむことが目標になってくる。その際,取り組む種目のイメージをつかませたり,できばえを確かめる手段として演技をデジタルカメラで撮影した動画を活用することにした。さらに,イントラネット及びインターネットを活用して校内及び他校とのデータ共有化をはかりデータの蓄積を図るともに生徒お互いの刺激を高めることにした。

 1,2年生で練習した技の中から,自分の力に応じた技を選択させ,目標をもたせて意欲的に取り組ませる。

 従来,動画と言えばビデオということになっていたと思う。しかし,今回のようにデジタルカメラの動画撮影機能を利用することにより大変簡単に動画のデジタルデータをコンピュータに取り込むことができ,ビデオクリップの作成が大変スムーズに行えた。