地域と学校が融合した開かれた学校をつくり,児童の生きる力を育てるインターネットの活用

                          つくば市立吾妻小学校

 

 本校は,学区内に筑波大学がある研究学園都市の中心に位置し,保護者や地域の人々の教育に対する関心が高く,児童の学習活動にも積極的に協力してくれる方が多い。

 さらに,本校のシステムには,児童用の情報交換ソフトが導入されている。このソフトは,児童一人一人が特定の人と情報交換することができるメール機能や,インターネットを通して,メーリングリストとして登録した学校や個人で電子掲示板を共有することができる機能を持っている。本校児童の主な進学先である吾妻中学校にも,同様な環境が整備されている。

 このような地域の特色,情報教育の環境を生かすことにより,新しい教育で求められている地域社会と融合した学校「開かれた学校」づくりを進め,地域の人々の力で児童の生きる力を伸ばす教育を実現することが本研究の課題である。

 なぜなら,保護者を含めた地域の人々の多くはインターネットを身近な道具として活用しているので,ホームページで学校の情報を発信することは,普段子供の教育になかなか関われないでいる保護者や地域の人々に本校の情報を与えることになり,学校への理解を深めさせ,学校に協力する機会を増加させるということにつながる。

 さらに,インターネット掲示板機能を活用し,「学習の広場」「PTAの広場」「国際理解の広場」「小中学校交流の広場」「学校経営の広場」などの掲示板を運用し, 地域に住む外国人に対して子ども自身,保護者等が情報を提供したり,逆に必要な外国の情報をいただいたりして,共生の社会作り,国際理解教育の推進が図れる。

 小・中学校の児童生徒がスタディノートを活用して書いた掲示板やメールは,一般の方々には,形は多少変わるが,自分で利用しているメールソフトでその内容を見ることができる。

 この会を運営する組織は,吾妻小・中学校の教員が中心ではあるが,様々な協力を地域の人々から得られやすくするために,PTAの代表の方にも管理者として入っていただき,規約を作成し,さらには,運営の協議も行った。

 本メーリングリスト(ML)は,教育活動の一環として行われるものであり,学習における情報収集の際,広く情報を得るとともに,地域の人々との情報交換ができることを目指して運営されるものである。

 メーリングリストによる教師ではない人との情報交換は,子どもの視野や情報を得る体験を広げるという意味で,非常に効果が大きく,期待通りであったといってよいと思う。