児童の主体的な活動を保証するための学校の枠を越えた協調学習

茨城県つくば市立並木小学校

 

 現第6学年児童96名は,一昨年第4学年における総合的な学習の時間「生きもの博士になろう」でコンピュータや新聞,図書資料を用いた情報収集とその伝達・まとめ方について,また昨年第5学年における環境学習で提案(話し合い活動)や現地調査を通して,友達や地域の人々等とのかかわり方について学習し,自ら追究し共に学ぶという姿勢が育ってきている。

 子どもたちは,第4・5学年の理科,並びに環境学習の実践で身につけてきた力をもとに,自分のかなえたい「夢」の実現に向かって,初めに学習テーマづくりを行った。

 きれいな花室川を目指すグループの児童が,インターネットを検索していてそれを見つけると,アサザできれいな花室川を目指すグループではインターネットでアサザの研究をしている「アサザプロジェクト」から種をいただいたり,アサザで霞ヶ浦をきれいにしようとしている美浦村立大谷小学校とメールで共同研究を呼びかけ,繁殖の方法などを教わりながら,本校の観察池でアサザを育て増やしていった。

 盲導犬訓練士をめざす児童が行った研究では,福祉に興味がある子どもたちと一緒にグループを構成し,盲導犬や介助犬について調べていく中でそこでも専門家や他校との自主的なかかわり合いが見られた。共同研究の呼びかけを電子掲示板に登録したところ東茨城郡内原町立鯉渕小学校の6年生から質問のメールが届いた。子どもたちは,互いにアドバイスをしながら研究を進めていった。日本パートナードック協会に相談をしたところ,つくば市で介助犬教室が開催されるとの情報を得ることができ,本校でも児童主催で福祉体験学習を行うことができた。

 今回は,児童の30以上のプロジェクトを同時に行うための方策を研究してきた。昼休み,自由に他校とテレビ会議ができる環境も整えてきた。教師の役割も「指導する」ことから「ともに学んでいく」という姿勢に変わりつつある。今後も,児童の主体的な学習の場を保証するための道具として,インターネットを活用していきたいと考えている。今後の課題として,さらに児童の新たな課題に対応できる学校ボランティアなどを充実させていきたい。