インターネットを活用した日韓音楽交流授業

東京都府中市立府中第一小学校

 

  アジア諸国が日本をパートナーとして意識している現状をふまえて,日本の子供たちがアジア諸国を意識していけるように,国際交流の範囲を広げていく必要がある。インターネットを活用した交流は,間接的ではあるが,ホームページや電子メールを活用して,日常的な交流を行う可能性をもっている。日韓両国で同じ楽譜作成ソフトを利用し,電子メールを活用することによって,共同作品づくりが可能となる。また,この音楽作品をきっかけにして,テレビ会議によって,お互いの演奏を鑑賞したり,意見や感想を直接交換し合い,より臨場感のある交流へと発展させることができる。

 「韓国の友達と,ことばとリズムのアンサンブルをつくろう」という題材を設定し,ことばのリズムを生かして簡単な歌詞をつくり,いくつかのリズムパターンを組み合わせたり,重ねたりすることによって,リズムアンサンブルをつくることをねらいとした。また,個人や親しい友達との作品づくりから,韓国の児童との共同作品づくりに発展させる。これらの活動を通して,韓国の文化にふれたり,言語も文化も異なる交流相手とのコミュニケーションを深めていくことを目的とした。

 日韓の子供4人で1グループを基本とし,コンピュータを使って,ことばのリズム感を生かしたリズムアンサンブルを,楽譜作成ソフトを用い,簡略なスコア形式でつくる。日韓双方の子供がスコアに自分が考えたリズムや旋律を入力し,電子メールで交換しながら作品を仕上げていく。完成した作品を,声や楽器を使って演奏する。そして友達の作品を鑑賞し,そのよさや自分の作品とのちがいを感じ取る。

 メール交換の交流をさらにテレビ会議に発展させ,出来上がった作品を互いに演奏して発表したり,感想を述べ合ったりしてリアルタイムの交流を行うことを計画した。

 実際には,週に2時間の音楽の授業での創作のため,完成までの期間がかかり,リズムパートが未完成のまま送ったり,日本と韓国で並行して創作を進めた部分もあった。

 また,テレビ会議による交流会後の子どもの感想には「電子メールのやりとりでは,相手の顔が見えず一緒につくっている感じがもてなかったが,テレビ会議でいっしょにつくっていた友達がいたことを改めて実感した」というものもあった。