インターネットと図書資料を用いた「検索の女王」コンテスト

桜丘女子中学・高等学校

 

 体験的に「有効かつ正確」な情報の取捨選択能力を育成することを意図して,様々なテーマに関する問題をグループで検索方法や検索結果を検討しながら回答するコンテストを行うことを企画した。コンテストの会場として図書資料とインターネット検索を自由に行える空間であるMRC(メディア・リソース・センタ)を用意した。

 本校ではコンピュータを使った教育を以前から進め,インターネットを教育活動に活用しようという試みを様々に行ってきた。

  学校全体の改修によって図書資料とインターネットに無線LANで接続可能なノートパソコンがそろった新しい形態の図書館であるMRCが完成し,この環境で決められたテーマについて複合的な情報検索を行い,集めた情報について比較検討することが効率的にできるようになった。授業での情報検索学習の成果を確かめ,また生徒に対する「情報の正確さの重要性」の意識づけを高めることをねらいとして本コンテストを企画,運営している。

 この委員会は元々分掌上に存在したものではなく,私を含む数人の教員が雑談の中で思いついた企画を,校内の分掌である「教際化委員会」に取り上げてもらい,教際化のメンバーと情報科の教員,有志教員の集合体として成り立っているものである。

 インターネットを使った情報検索に関しては,中学生はコンピュータの時間,高校生は情報の時間を使って検索エンジンの種類や使い分け,キーワードの選び方などについて指導した。

 今後の課題としては,まず何よりも問題の精選である。ジャンル分けや進学教育に結びつく出題など試行しているが,誤答分析など行って改善する余地は大いにある。また,「調べ学習」を進学教育に相対するものと考えられることも多いが,進学教育においても問題を自分で解決していくという姿勢は必要であり,これからいかに進学教育と融合させるか,つまりいかに「総合的な学びを経験する場」としていくかが求められていると考えている。