バリアフリーに根ざした学校図書館の情報センター化推進と他校交流

横浜市立盲学校

 

  視覚障害は情報障害であるとも言われるように,盲学校の生徒および一部教員にとっては,視覚から得られる情報の消失は,各種情報の80%におよぶとも言われる。昨今の急速なIT時代背景の中,図書メディアの急速な変遷の中,インターネットを通じて電子図書館(含む点字)や音声図書館・マスメディアの配信等によってバリアフリーの状況は急変した。横浜市立盲学校では,図書館ボランティアを中心に各種ボランティアにご協力いただき,学校図書館の新しい在り方を探り,「どの教室からもインターネット!そして図書検索利用ができる図書館に!」をスローガンに,以下の内容を実現・研究・推進中である。

 横浜市立盲学校では,昨年来,Network(校内ネットワーク55教室に情報コンセント設置・有線・無線LAN接続可能)利用によるPC活用により,バリアフリーの状況は一変した。

・イントラネットへの図書データ公開 辞書CD等の教科等での活用の推進(国語・社会・英語等の活用(一部Web公開)

・図書だより「まつみ」の電子データの発行(校内Web公開)他にも理科室・保健室からもWeb公開中。)

・デイジー図書の活用研究 (テープ録音図書のデイジー化) 

・盲学校点字情報ネットワークの活用研究 

110周年記念式典・校内読書コンクール・読書会(図書館ボランティアの表彰と交流会

 の開催)

・HPで活動内容の一部をweb公開

・音声対応図書管理ソフトウェア・点図活用ソフトウェア等の研究

 授業の成果としては実際に,多数の学校とのメール交流によって,世界が広まったのは,いうまでもないようである。興味関心も高まり,授業への意欲もわいてくるようである。

 メール交換も1月に入り総数140通を越えた。(すべて高等部で共有)

 現在,HP作りのテーマは,各自が考えて行っている。来月には,各自の発表を校内イントラネットを通じて相互評価をし校内に向けて発表する予定である。(一部完成)

 授業における交流の課題はやはり相手探しが大変である。特に盲学校の生徒の場合,相手が盲学校の生徒を心から理解していないと,誤解を生じる場合もあるので十分な注意も必要となる。幸ながら,今のところ,卒業生の協力もあり,ボランティアにも恵まれている。多方面との交流を進め,世界を広げてあげたい。