ネットワークを利用した相互学習評価活動の支援

山梨大学教育人間科学部附属中学校

 

 情報機器環境が整備されたのち,その活用方法が受動的な情報収集型で終始するようであったり,特定教科の利用のみであってはならない。学習成果を生徒同士で相互評価させる場面で利用できるシステムとして,データベースサーバや,コメントシステム(仮称)を設置することで多人数の相互の評価・意見交流が効率的になるメリットが生まれ,教科でのコンピュータ利用が促進されるだろうと考えた。そこで,イントラネット環境に,CGIによるweb別にコメントを入出力できるwebコメントシステムを開発し,その有効性を探ってみた。

 本システムは,日常的に教師が生徒の感想や意見を紙片に書かせ集めたり,作品ごとに生徒がコメントを書き込んだりする活動のネットワーク化と考えていただくと理解しやすいと思う。

 その結果,本年度は国語,英語,技術・家庭科,保健体育,セルフB(領域別の総合的な学習の時間),セルフC(個人探求型の総合的な学習の時間)において利用され,発表活動の効率化,相互の意見交流による活性化,自己評価能力の向上などの成果を示す指導者の感想が得られた。

 この方法に,「コメントシステム」をあわせれば,生徒が自分自身のスピーチを見て,その内容や身振り手振りについて自己評価をするだけでなく,瞬時に生徒相互の評価活動をさせることができる。

 この学習サイクルは,単に作品を相互交流させる「展示会」としての働きだけではなく,友人の多くのレポートを見ることで,「課題設定の視点」「課題追求の方法」「レポートのまとめかた」「課題追求によっての成果や課題」など多くの視点において,友人と自分を比較することで「自らの」課題追求の過程を振り返ることができること,また自分のレポートをさらに磨きをかけたいという意欲付けにつながること,さらに友人からのコメントを読んで,自分のレポートを客観的に見つめられることにつながる。