地域の人材をネットワークで結んで,教科の学習に生かす

山口大学教育学部附属山口中学校

 

 本校での「映像表現に関する学習」は,音楽科と美術科が協力して,合科的な学習として行っているが,映像表現に関する学習指導方法についてはまだまだ研究不足の面が多く,生徒が出してくる様々な要望に十分応えきれない。

 そこで,映像関係の仕事にたずさわっているプロの方を授業に招き,具体的なアドバイスをいただく機会を学習計画に組んできた。

 学習中に,映像表現の技法について疑問に思ったことをインターネットで調べたり,あるいは映像関係の団体の方に電子メールで問い合わせたりできれば,「知りたいときに,調べられる」学習が可能になるのではないかと考えた。

 今回は特にNHKの「しらべてまとめて伝えよう」のサイトや,地元山口市の市民グループ「YVEC」のサイトを利用して,映像表現の初心者である生徒たちの学習支援ができないかと考え,この企画を設定した。映像作品をつくるための様々な技法を紹介してくれるサイトを利用したり,地域の人材が立ち上げているサイトと結び付けたりして,教科の学習をより豊かなものにできるのではないかと思う。

 映画やテレビドラマをはじめゲームや報道などに使われる「映像」は,私たちの生活の中で,喜びや感動を与えてくれるものであり,同時に知識をやりとりし,コミュニケーションをとるための表現として重要な位置を占めるようになってきた。

 映像は,その場面の設定で見る人に「いつ,どこで,誰が」という状況を伝え,画面の構成で心理状態を伝え,カットやシーンなどを時間的に構成することで筋道を論理的に説明することができる。

 そして,メディア・リテラシー学習の先進国であるカナダなどでの実践によれば,具体的に映像作品を制作する体験を持つことがメディア・リテラシーを行う上で最も有効な方法であるとされている。

単元「自分の気持ちや考えに合う映像表現のし方を工夫し試行錯誤する活動が,映像で表現する力を育てる。」

本単元では,「学級(仲間)」をテーマとして,日常の学校生活の中から一場面を画面として切り取り,それを組み合わせて短い映像作品「メッセージ・ビデオ」を制作させる。基本的な表現技法や,基本的な機材の扱い方を習得する。