病院訪問学級との共同学習環境の構築

沖縄県立森川養護学校

 

 森川養護学校には,沖縄病院に隣接した本校と他に9つの国・公立・私立病院内に訪問学級が設置されいる。各訪問学級には担当職員が一人で数人の生徒の指導にあたっており,中学生の指導などには専門教科以外も担当しなくてはならないという問題がある。

 平成11年度には訪問学級にも病院側の配慮により教室でインターネットが利用できるようになり,興味のあるWebページをみたり,前籍校の友達とのE-mailの利用も行われるようになり楽しんで教室に来るようになってきた。

 また,個人情報の取り扱いについて,これまでも本人及び保護者の許諾を得てWebページを作成してきたが,公開できない部分がかなりあり,外部との交流を図りたいが十分に情報を伝えることができないこともあった。

 グループウェアを利用することで,交流先の生徒,教諭にのみアカウントの発行を行い,限られた相手に必要な部分だけを見せることが可能となり交流会の当日だけでなく,前後の指導にも十分活用できると考えた。

 本校及び,病院訪問学級の児童・生徒のみ入ることのできるグループウェアサーバーを使って,行事予定,係活動,自由掲示板などのコンテンツを,離れた場所にいる生徒たちが,役割を分担し作成していく。 

 今回は,生徒たちも交えて計画を9月から行い互いの様子や係分担をそれぞれ別の場所にいながらグループウェアで連絡を取り当日の進行や,生徒間の交流がうまくいけるように考えた。

 実際の活用の中で,普段なにげなく使っている言葉がメールなどにすると,相手校の生徒に不快な感じを与えてしまうこともあり,お互いが十分理解できていない段階で注意すべきことなどに生徒自身が気がついてきた。

 インターネットの利用が障害のある生徒たちに不可欠なものとなってきているが,これらを十分活用していくためには,交流学習等と関連させながら,より広い社会へ参加していく意識と態度を育てていきたいと考えている。