Hokkaido Web High School Project

北海道南茅部高等学校

 

 わが国において,インターネットが本格的に導入されてからおおよそ6年ほど経過し,現在では,北海道のほとんどの高等学校がインターネットに接続できる環境にある。これからは今まで以上にインターネットを意識した情報教育が必要になってくると予想される。そこで本校では協力校の力を借り,インターネットを使った授業実践の一つの形態として,「Hokkaido Web High School」プロジェクトを企画した。これはインターネット上に,バーチャルな学校を作り,各地に分散する参加校の生徒が,メーリングリストなどを活用し共同でWebページを作り上げ,運営を行ったり,課題などを協力し取り組んで行くというプロジェクトである。この授業の目的は,生徒が遠隔地での共同作業(交流)を通じ,インターネットの構造を理解し,ネットワークモラル教育など,コンピュータネットワークについて学ぶということにある。

 

 協力校と運営する「Hokkaido Web High School」プロジェクトの中で,本校ではインターネットを活用した授業として,「北海道Web文化祭プロジェクト」と「テーマ別課題研究」の2つの授業を行った-。これらの活動を協力校と円滑に行うために,教員用,生徒用のメーリングリストを別々に構築し,情報交換を行った。この際,生徒には電子メールのマナーについて徹底させ交流を行わせた。本校の生徒は他校の生徒などに影響されながら,ネットワークの先にいる相手のことを意識しながら授業に取り組むことができた。

 

 インターネット授業を行う中で,情報を一方的に受信したり,自分たちの情報を一方的に発信するだけではなく,協力校を作り,共通の授業計画を立て,交流を行う相手がいる環境を作り授業を行っていくことによって,生徒にコンピュータネットワークの先にいる人間をより意識した,情報発信を行うことができるような環境を作ることができた。また,交流相手が協力校であることから教員間の連携が取れ,各校でネットワークモラルなどについても共通な指導をすることができた。今回の授業では,Webページ製作やテーマ別の課題研究など,目に見える成果を期待するあまりに,メーリングリストなどは,事務連絡的な使われ方にとどまり,生徒がコミュニケーションツールとして十分に活用していたとは言い切れない側面もあった。インターネットを使ったコミュニケーション授業は,インターネット上で共通の目標(課題)を共有するだけではなく,それを作り上げる過程を共有することが重要なことであり,来年度以降の大きな課題となった。