LAN,インターネットを通して,学年・学校の枠を越えて広がる研究学習

つくば市立並木小学校

 

 本校では,「総合的な学習の時間」として,環境や科学の学習を行っている。その学習では,自分で課題を見つけ,主体的,継続的に学習を行うことを大切にしている。

 第4学年では,理科「季節と生きもの」での共同学習を通して,自然や植物とかかわり,そして児童同士のかかわりを深め,各自の思いや願いを生かして意欲的に取り組むことができる学習活動を展開していった。第5学年では,第4学年の共同学習で身に付けた「身近な環境への意識の高まり」「情報収集・活用・伝達力」を基盤に,現地調査を行い,学習の対象についての「気づき」を重視し,身近な環境へのかかわりを深め,テーマ別グループにわかれ,調査研究を行っていった。また,児童の思いや願いに対応するため学習過程を複線型とし,集団思考の場(提案,話し合い活動の場)を設け,校内ネットワークやインターネット,電子メールを活用しての意見交換の中から,自分の見方を広げ,考えを見直し広げる学習活動を展開していった。さらに,第6学年では第4学年の理科,並びに第5学年の環境学習の実践で身につけてきた情報収集能力,判断力,問題解決への行動力などの意欲や能力をもとに,学習範囲を全教科・領域に広げ,児童の自主性を尊重して,思う存分,自分の課題解決に取り組める学習過程を構成していった。  

 以上のような児童の主体的な学習活動を展開するため,本校では100台のコンピュータ,全長2kmにわたる校内LANで結び,グループウェアによる電子掲示板の活用を図っている。そこでは,1)デジタルカメラで撮影し,電子掲示板にまとめたものをもとに話し合いやアドバイスなどの活動を行ったり,2)校内ネットワークを活用した電子メールによる学級の枠を越えた共同学習を進めていった。3)更には,テレビ会議システムやインターネットライブ中継などのインターネットの効果的かつ多様な活用を図り,「かかわり合い」をキーワードに,たくましく生きる児童の育成を目指している。

 本研究の実践により,児童は多くの人々(異学年,他校,専門機関)とのかかわり合いの中で情報の収集・活用能力を高め,体験的な実践活動を通して,試行錯誤しながら自分の力で問題を解決していく力を身につけていった。また,児童の学習過程で無線LANを導入することによって,校外での調査活動では,見つけたものをその場でインターネットやデジタル図鑑で検索したり,グループで調査場所を分担してメールで観察データのやり取りをするなど,多様な学習活動の展開を試みた。児童は常に問題意識を持ち,より具体的な観点で調査対象を捉えることができるようになった。