教育の情報化を目指したインターネット活用と生徒支援プロジェクト

神奈川県立汲沢高等学校

 

神奈川県立汲沢高等学校は県立高校改革推進計画によって,平成15年度に「フレキシブルスクール」として生まれ変わる。午前型・午後型等の時間割作成が可能であったり,検定結果や大学や専門学校での受講結果の単位認定と,学校の内外を問わず学習の成果を認めていく学校である。このような変化を前提に,場所・時間にとらわれずに学習活動や生徒支援ができる体制を整えていくことにした。具体的には
T.全1年生に対する情報リテラシーオリエンテーション
U.携帯端末の利用も視野に入れた生徒支援体制
V.教育用コンテンツの作成及び配信
の3つの内容を実践した。

全1年生に10時間程度のオリエンテーションを行うために,5教科(国語,社会,数学,理科,英語)の授業時間を2時間づつ使わせていただいた。内容はインターネットを快適かつ安全に使えるようなリテラシーを身につけることにある。その結果として他の授業の中で,彼らの方から「それはインターネットを使うといいのでは?」という声があがるようになった。

生徒が自分で時間割を作る環境下では,先生が彼らの動向をつかんだり情報を伝達したりすることが難しくなる。また生徒側からしても,「学校に登校しない日でも先生とコミュニケーションをとりたい」等の場面も考えられる。このような状況の中で,電子メールを活用できないかを調査研究した。携帯端末(携帯電話)も含めた実践を4ヶ月試行した。メールによる連絡はあくまでも補助的なものであることを確認しながら行ったが,電話よりも手軽であるからか,欠席や遅刻の連絡などが多く入った。またクラス内のできごとの相談や保護者からの連絡も数件あった。基本的にメールのセキュリティーはあまり確保されていないことを前提として,この事業を実施していかなければならない。今後はメールにて連絡できる内容なども整理して,生徒に説明していきたい。

教育用コンテンツの作成に関しては,動画と静止画の同期をとって表示することを基本に考え,最終的には「Microsoft Producer」を利用することにした。自分の知っている先生が画面上にでてきて説明をすることから,生徒にとっては通常のWeb教材よりもとっつきやすいようであった。

フレキシブルスクール開校の平成15年度に向けては,TをベースにしてU,Vについても積極的に展開し,生徒支援体制の一助として情報機器の活用を行っていきたい。